米Texas Instruments(TI)は、総合誤差が最大±1%と小さい絶縁型電流センサーIC「TMCS1100」を発売した(ニュースリリース)。電流を内部導体に流し、それが作る磁界を集積したホール効果素子(ホールセンサー)で測定する。電流測定のオフセット誤差は−40〜+125℃の温度範囲において±10.5mA(標準値)であり、その温度ドリフトは0.01mA/℃(標準値)と小さい。同社によると、「ホール効果素子利用の電流センサーICにおいて、業界初のゼロドリフトを実現した。当社独自のゼロドリフト回路アーキテクチャーとリアルタイム感度補償を適用することで可能にした」という。磁界を検出して非接触で電流を測定するため、3kVRMSの絶縁耐圧を確保した。産業用モーター駆動機器や太陽光発電用インバーター装置、エネルギー貯蔵装置、電源機器などに向ける。

総合誤差が最大±1%と小さい絶縁型電流センサーICの応用例(産業関連機器)
Texas Instrumentsのイメージ
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 双方向と単方向の両方の電流測定が可能である。抵抗が1.8mΩと小さい内部導体とホール効果素子のほか、高精度アンプや温度補償回路、オフセットキャンセル回路、バイアス回路、出力アンプなどを集積した。差動測定用に外部の基準電圧源が必要である。基本動作絶縁耐圧は±600V。出力電圧はアナログ値で、入力電流に比例する。入力電流と出力電圧の関係を示す感度は固定。感度の違いで4製品を用意した。すなわち50mV/Aの「TMCS1100A1」と、100mV/Aの「TMCS1100A2」、200mV/Aの「TMCS1100A3」、400mV/Aの「TMCS1100A4」である。感度の誤差は、−40〜+125℃の温度範囲において±0.3%(標準値)で、その温度ドリフトは±20ppm/℃である。非線形性誤差は±0.1%(標準値)。電源電圧変動除去比(PSRR)は1mV/V(標準値)。−3dBの周波数帯域は80kHz(標準値)。瞬時コモンモード除去電圧(CMTI)は25kV/μs(標準値)を確保した。

 絶縁に関する安全規格である「UL1577」「VDE 0884-11」「IEC 60950」を取得する予定である。電源電圧範囲は+3〜5.5V。最大消費電流は5mA。パッケージは、4製品いずれも8端子SOPである。動作温度範囲は−40〜+125℃。すでに販売を始めている。1000個購入時の参考単価は1.50米ドルからである。

 このほか、総合誤差が±1.5%の絶縁型電流センサーIC「TMCS1101」を併せて発売した。TMCS1100との違いは、外部の基準電圧源が必要ない点にある。集積した基準電圧源を使用する。このため総合誤差が若干大きくなる。パッケージは8端子SOPで、TMCS1100との端子互換性を確保した。すでに販売を始めている。1000個購入時の参考単価は1.50米ドルからである。

 TMCS1100とTMCS1101のそれぞれに評価モジュールも用意している・型番は「TMCS1100EVM」と「TMCS1101EVM」で、参考単価はどちらも59.00米ドルである。