エイブリックは、動作時の消費電流を同社従来品の約1/3に低減した、1セルのLiイオン/Liポリマー2次電池(バッテリー)用保護ICを発売した。搭載した電子機器の電池駆動時間を既存製品比で延ばすことができる。過充電検出の電圧測定誤差を±15mVに抑えたことも特徴である。これで、「2次電池の発火や発煙を回避し、安全性を高められる」(同社)。具体的な応用先は、ワイヤレスイヤホンやスマートウォッチ、補聴器、活動量計、メガネ型ウエアラブル端末などである。

動作時消費電流を990nAに抑えた1セルのLiイオン2次電池用保護IC
(出所:エイブリック)
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 発売した製品は3つあり、いずれも動作時の消費電流を990nA(最大値)に抑えた。990nAは、「業界最小」という。また、±15mVの過充電検出の電圧測定誤差は、「業界トップクラス」とする。3製品の名称は、「S-82M1A/S-82N1A/S-82N1Bシリーズ」である。3シーズ間の違いは、搭載した端子(機能)にある。S-82M1AシリーズはVINI端子を備える。この端子に電流検出抵抗を外付けすることで、温度変化の影響が少ない過電流保護機能を実現できる。S-82N1Aシリーズは、CTL(充放電制御信号入力)端子を備える。この端子にマイコンなどからロジック信号を入力することで充放電制御機能が動作し、電池への充放電を禁止できる。またCTL端子にPTCサーミスターを接続すれば、過熱保護機能を実現可能だ。S-82N1Bシリーズは、パワーセービング信号入力(PS)端子を備える。この端子に外部から信号を入力することで、Liイオン2次電池の放電を禁止できる。

発売した3製品を使った電池保護回路
(出所:エイブリック)
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 パッケージは3製品いずれも、外形寸法が1.57mm×1.8mm×0.5mmと小さいSNT-6A。動作温度範囲は−40〜+85℃である。3製品の主な仕様は下表の通りである。すでに販売を始めている。価格は明らかにしていない。

発売した3製品の主な特性
(出所:エイブリック)
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