英スタートアップのNothing Technologyは2022年7月12日(現地時間)、同社初となるスマートフォン製品を発表した。意匠性の高さを主な特徴とし、背面に光り方を変えられるLEDを900個以上搭載した。同社CEO(最高経営責任者)のCarl Pei(カール・ペイ)氏は「日本で成功すれば世界にも広がっていく」とし、日本市場での売れ行きに強い関心を示す。販売価格は6万9800円(図1)。

図1 Nothing Technologyが発表した「Nothing Phone (1)」
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図1 Nothing Technologyが発表した「Nothing Phone (1)」
内部部品が透けて見える特徴的なデザインは、ニューヨーク市営地下鉄の路線図のデザインなどを手がけたMassimo Vignelli(マッシモ・ヴィネッリ)氏の作品に影響を受けているという。背面には900個以上のミニLEDを搭載した(写真:日経クロステック)

 Nothing Technologyは2020年、中国・広東欧珀移動通信(OPPO、オッポ)でスマホブランド「OnePlus」を手がけたPei氏が設立した。同社の初製品となるワイヤレスイヤホン「Nothing ear (1)」はこれまでに「世界で56万台」(同社)販売しており、中でも日本市場は好調という(図2)。

図2 開発したスマホの上部にあるのが「Nothing ear (1)」
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図2 開発したスマホの上部にあるのが「Nothing ear (1)」
ワイヤレスイヤホン「Nothing ear (1)」は、内部部品が透けて見えるデザインが特徴。Nothing Phone (1)に載せて無線給電が可能(出所:Nothing Technology)

 同社が発表したスマホ「Nothing phone (1)」はハードウエアを自社開発し、Android(アンドロイド)をベースとした独自OS「Nothing OS」を搭載した。デザインに注力することで、スマホが見た目や機能の面で差がなくなり、「陳腐化」(同社)している現状の打破を目指したという。背面はLED機能に加え、内部部品が透けて見える構造に仕上げた(図3)。

図3 白と黒のモデルを展開
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図3 白と黒のモデルを展開
なお、色の他に仕様は変わらない(出所:Nothing Technology)

 同製品は白と黒の2つのモデルを展開する。6nm世代のプロセスで製造する米Qualcommのアプリケーションプロセッサー「Snapdragon 778G Plus」を搭載した。内蔵のフラッシュメモリーは256Gバイトで、電池容量は4500mAh(図4)。

図4 Androidベースの独自OS「Nothing OS」を搭載
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図4 Androidベースの独自OS「Nothing OS」を搭載
開発したアプリケーションなどは同社独自のデザインで仕上げた(写真:日経クロステック)

 カメラは2眼で、広角とマクロのレンズを搭載した。F値は1.8で、1/1.56インチのイメージセンサーで夜間撮影に対応する。動画撮影は1080pに対応し、光学式手ぶれ補正(OIS)と電子動体ブレ補正(EIS)で手ぶれを防止する。

 特徴の1つである背面LED「Glyph Interface」は974個のミニLEDから成り、10万時間稼働する(最大300mA)。着信時やカメラ撮影時などに発光し、今後はバッテリー容量の表示などにも対応する予定という。

 Nothing Technologyが「特にこだわった」というデザインには、ソニーグループや任天堂といった日本企業の製品からも影響を受けているという。「文化的中心である日本からは、多くのトレンドが生まれる傾向がある。スマホに対する日本の消費者の要求は厳しいので、日本で歓迎されれば他の国でも問題ないだろう」とPei氏は語る。