京都セミコンダクター(京セミ)は、伝送速度が400Gビット/秒(bps)と高いデータ伝送システムなどに向けたInGaAsフォトダイオード「KPDEH12LC-CC1C」を開発した(ニュースリリース)。量産は2020年11月に開始する予定である。

伝送速度が400Gビット/秒(bps)と高いデータ伝送システムなどに向けたフォトダイオード
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 現在、データセンター内やデータセンター間のデータ伝送システムにおける伝送速度は、25Gビット/秒のレーン(光ファイバー線路)を4本束ねた100Gビット/秒が主流になっている。しかし、同社によると「市場では、400Gビット/秒や800Gビット/秒への拡大要求が強くある」という。例えば、400Gビット/秒に高めるには、IEEE(米国電気電子学会)において「PAM4(4-level Pulse Amplitude Modulation)の適用が決まっている。1レーン当たりのデータ伝送速度は100Gビット/秒であり、PAM4を適用するため1レーンに2個のフォトダイオードを使う。

 従って、1つのフォトダイオード当たりの伝送速度は50Gビット/秒となる。「この伝送速度を実現するには、フォトダイオードに必要な周波数帯域は35G〜40GHzである」(同社)という。今回の新製品は、フォトダイオード単体で35GHzの周波数帯域を確保した。さらにトランス・インピーダンス・アンプを外付けすれば40GHzの周波数帯域が得られる。「フォトダイオードを搭載するキャリヤー(支持台)の厚さや、キャリヤー上に作り込んだ高周波用電極パターンの幅と長さを、電磁界解析を使って最適化することで最大40GHzの周波数帯域を実現した」(同社)という。

 フォトダイオードの材料は、InGaAs(インジウム・ガリウム・ヒ素)である。フォトダイオードは、高周波用電極パターンを作り込んだキャリヤーに搭載した。いわゆる「CoC(Chip on Carrier)タイプ」である。フォトダイオードの光入射面には集光レンズを形成した。このため入射光を効率的に光吸収領域に集光できる。「光ファイバーとフォトダイオードとの位置合わせが容易になる」(同社)。受光部の直径は40μm。集光レンズを作り込んだため、位置合わせの許容差は±20μmである。

 検出波長は1000n〜1700nm。感度は、波長が1310nmのときに0.7A/W、1550μmのときに0.6A/W(いずれも標準値)。暗電流は20nA(標準値)。順方向電流は5mA。逆方向電圧は5Vで、逆方向電流は5mA。入射可能な最大光パワーは5mWである。キャリヤーの外形寸法は0.6mm×0.48mm×0.25mm。動作温度範囲は−40〜+85℃。通信機器の信頼性試験に関する標準規格「Telcordia GR-468-Core」をクリアする。価格は明らかにしていない。