米Diodes(ダイオーズ)は、車載用途に向けた最大3.5A出力の降圧型DC-DCコンバーターIC「AP64350Q/AP64351Q/AP64352Q」を発売した(ニュースリリース)。入力電圧範囲は+3.8〜40V。入力源は+12Vの車載用電源バスを想定する。これを降圧して、車載用インフォテインメント機器やインスツルメントクラスター、テレマティックス機器、ADAS機器に搭載したマイコンやASICなどのデジタルICに電力を供給するPOL(Point Of Load)コンバーターに向ける。車載用半導体ICの品質規格「AEC-Q100グレード1」に準拠するほか、自動車業界の生産部品承認プロセス(PPAP)に対応できる。

車載用途に向けた最大3.5A出力の降圧型DC-DCコンバーターIC
Diodesのイメージ
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 最大の特徴は、放射電磁雑音(EMI)が低い点にある。パワーMOSFETのゲートドライバー回路に同社独自の駆動方式を適用することで、ターンオン時間とターンオフ時間に影響を与えずに、スイッチングノードで発生するリンギングを抑えて、スイッチング動作由来のEMIを低くしたという。さらに、周波数スペクトラム拡散(FSS:Frequency Spread Spectrum)機能を採用し、EMIのピーク値を抑えた。スイッチング周波数は100k〜2.2MHzの範囲でユーザーが設定できる。AP64350QとAP64352Qは外部のクロック信号源に同期させて駆動することが可能だ。周波数スペクトラム拡散機能で与えられる最大ジッターは、スイッチング周波数の±6%である。

 フィードバックループの制御方式はピーク電流モード。同期整流方式に対応する。ハイサイドスイッチとローサイドスイッチを集積した。ハイサイドスイッチのオン抵抗は75mΩ、ローサイドスイッチは45mΩ。出力電圧は、外付け抵抗を使って設定できる。集積した基準電圧源の出力電圧は+0.8Vで、その誤差は±1%。通常時はPWMモードで動作し、軽負荷時はPFMモードに移行する。軽負荷時(5mA出力時)の変換効率は最大85%が得られる。静止時の消費電流は22μAと少ない。

 低電圧ロックアウト(UVLO)機能や出力の過電圧保護機能、サイクル・バイ・サイクリのピーク電流制限機能、サーマルシャットダウン機能を備える。AP64351QとAP64352Qは、突入電流の削減に向けたプログラマブルなソフトスタート機能を用意した。AP64350QとAP64351Qは、外付け部品を使って位相補償回路を最適化できる。パッケージは、放熱端子を備える8端子SOP。動作温度範囲は−40〜+125℃。すでに量産出荷を始めている。1000個購入時の参考単価は0.93米ドルである。