TDKは、リップル電流耐量を最大で2倍に高めたAl電解コンデンサーの新シリーズを発売した ニュースリリース 。応用先は、風力発電や太陽光発電に向けたDC-DCコンバーターのほか、汎用インバーター装置や無停電電源装置(UPS)などである。「EPCOS(エプコス)」ブランドで販売する。定格電圧や静電容量、外形寸法、振動などへの対策方法(固定方法)の違いで136製品を用意した。

リップル電流耐量を高めたAl電解コンデンサー
リップル電流耐量を高めたAl電解コンデンサー
(出所:TDK)
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 新シリーズの型番は「B43706/B43726」。リップル電流耐量は製品によって異なる。同社既存シリーズである「B43707/B43727」と比較すると、「リップル電流耐量は、平均で約25%高めた。最も改善幅が大きいのは+400V耐圧、6800μF品であり、その改善幅は約2倍である」(同社)という。リップル電流耐量が最も高いのは+400V耐圧、1万5000μF品。100Hz、+85℃の条件下でのリップル電流耐量は56.1AAC。300Hz、+60℃、冷却風2m/sの標準的な動作環境では100AACに達する。リップル電流耐量を高めた技術的な方法の詳細は明らかにしていないが、「Al箔を改善することで等価直列抵抗(ESR)を低減して発熱量を抑えた。その結果、リップル電流耐量が高まった」(同社)という。

発売した新シリーズの位置付け
発売した新シリーズの位置付け
同社既存品と同等の寿命を確保しながら、体積当たりのリップル電流耐量を高めた。(出所:TDK)
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 ネジ端子形であり、バスバー(ブスバー)などにネジ止めして実装する。新シリーズの外形寸法は、同社既存シリーズに比べると大きい。同社既存シリーズの+400V耐圧、6800μF品は直径64.3mm×長さ130.7mmだったが、新シリーズでは直径76.9mm×長さ143.2mmと一回り大きくなった。「しかし、新シリーズはリップル電流耐量が高いため、静電容量当たりに流せる電流量が大きい。このため用途によっては、員数を減らせる可能性があり、必ずしも実装面積や占有体積が大きくなるとは限らない」(同社)という。

+400V耐圧、6800μF品での新製品と既存品との比較
+400V耐圧、6800μF品での新製品と既存品との比較
(出所:TDK)
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 新シリーズの定格電圧の選択肢は+400VDCと+450VDC、+500VDCの3種類。静電容量は820μ〜1万5000μFの範囲である。外形寸法は、直径51.6mm×80.7mmや直径64.3mm×長さ80.7mm、直径76.9mm×長さ96.7mm、直径76.9mm×143.2mm、直径90.0mm×長さ144.5mm、直径90.0mm×長さ221.0mmなどの25種類を用意した。振動などへの対策方法(固定方法)は型番によって違う。B43706シリーズは、リングクリップを使って固定して対策するタイプ。B43726シリーズは、接続端子を設けた反対側の面にスタブを用意しており、これを使って台座などにねじ止めして対策するタイプである。定格動作温度は+85℃。寿命はいずれの製品も、定格運用時に1万2000時間を確保した。オプションで、プラス端子とマイナス端子の形状を変えることで逆極性接続を防止する特殊端子を用意した。

 新製品を搭載する電子機器における運用環境下での推定寿命は、同社のウェブサイトで公開しているAl電解コンデンサー用推定寿命計算ソフトウエア「AlCapツール」 当該Webページ を使えば簡単に算出できるという。新シリーズはすでに量産出荷を始めている。価格は明らかにしていない。