サン電子とNTTドコモ(ドコモ)は、AR(拡張現実)スマートグラスと5Gネットワークを用いて離れた場所から現場に指示を出す作業支援ソリューション「AceReal for docomo」の提供を開始した(ニュースリリース)。製造業における製品の保守メンテナンスや電気・ガスなどのインフラ業における設備点検、農業における新人へのノウハウ伝達といった利用を想定する。

図1:「AceReal for docomo」のシステム構成(出所:サン電子、NTTドコモ)
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 AceReal for docomoの利用に当たっては、サン電子のARスマートグラス(関連記事)と業務支援アプリケーション、サポートサービス、通信経路を最適化するドコモのサービス「クラウドダイレクト」をセットで導入する(図1)。業務支援アプリケーションは、ビデオ通話やマニュアル表示、支援者からのファイル送信、作業映像の録画・再生、現場画像の編集といった機能を備える。現場の作業員がARスマートグラスを装着し、取得した映像と音声を支援者側のパソコンでリアルタイムに共有。支援者は、パソコンからARスマートグラスにマニュアルや画像を表示させたり、音声で指示したりすることで、現場での作業をサポートする。

 初期費用は3000円から、月額利用料は3万円前後から。ARスマートグラスの設定や導入後のサポートなども含めて、ドコモがワンパッケージで提供する。

 クラウドダイレクトは、ドコモのクラウドサービス「ドコモオープンイノベーションクラウド」のオプションとして提供される(2020年6月30日付のドコモのニュースリリース)。ドコモオープンイノベーションクラウドは、ドコモ網内の設備にクラウド基盤を構築して、低遅延・高セキュリティー通信を実現するMEC(Multi-access Edge Computing)を活用したソリューションが利用できるサービス。クラウドダイレクトは、ユーザーの5G通信端末とドコモのクラウド基盤を直結して通信経路を最適化して、ネットワークの伝送遅延の低減を図る(図2)。

図2:「クラウドダイレクト」による通信経路の最適化イメージ(出所:NTTドコモ)
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 ドコモのネットワークとクラウドを直接つなぐため、インターネットなど他のネットワークからのアクセスを防げる。加えて、あらかじめドコモ網に登録した回線以外からの接続を制限するので、セキュリティーの高い通信が可能だ。管理機能として、モバイル回線の接続先クラウド拠点をユーザーが変更できる機能「ネットワーク・オン・デマンド」を用意しており、接続端末がある場所に近いクラウド拠点を接続先に選べば、伝送遅延をさらに低減できるという。

 AceReal for docomoを含む4つの5Gソリューションと、AI(人工知能)を活用した「ドコモ画像認識プラットフォーム」を使ったソリューションに対応する。1接続当たりの初期費用は3万円で、月額利用料は3万5000円。サービスの利用には、クラウドダイレクト専用の5G回線を契約する必要がある。現状、東京都と大阪府、神奈川県、大分県の4拠点で提供している。