ジェイテクトは、2022年7月に開いた説明会で、自動車のステアリングホイールとタイヤを電気信号でつなぐステア・バイ・ワイヤが量産目前の段階に達していることを明かした。鍵を握るのが、同社の高耐熱リチウムイオンキャパシター(以下、高耐熱キャパシター)だ。

ステア・バイ・ワイヤのシステム構成例
ステア・バイ・ワイヤのシステム構成例
(出所:ジェイテクト)
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 ステア・バイ・ワイヤは、ステアリングホイールとタイヤを電気信号でつなぐため、主電源が落ちた場合、瞬間的に機能を継続しなければ運転を制御できずに事故が起こってしまう。その安全性を担保するため、緊急用のバックアップ電源として使用するのが同社の開発する高耐熱キャパシターだ。

 高耐熱キャパシターを採用する理由は大きく2つある。1つは、リチウムイオン2次電池や鉛蓄電池と比較して放電・蓄電が速いことだ。車両電源の失陥時にも瞬間的に冗長化し、機能継続ができる。もう1つは耐久性に優れることだ。キャパシターは充放電の繰り返しによる性能劣化が少なく、寿命が長い。加えて同社の開発するキャパシターは、高温環境にも強い。

 同社のステア・バイ・ワイヤは「バックアップ電源まで自前でそろえているのが強みだ」(同社広報グループ)。「引き合いは多く、量産の見通しは立っている」(同社 先行システム開発部第1開発室 第1開発グループ グループ長の泉谷圭亮氏)と話す。