三菱電機は、寒冷地向けルームエアコン「ズバ霧ヶ峰」の新製品として、霜取り中の吹き出し温度を維持できる「FD」「ZD」シリーズ10機種を2019年9月下旬に発売する(図1ニュースリリース)。室外機の熱交換器を2分し、凝縮潜熱を利用した霜取りと暖房運転を交互に行うシステム「デュアルオンデフロスト回路」を開発・搭載することで、最高で約46℃の吹き出し温度を実現した。

[画像のクリックで拡大表示]
[画像のクリックで拡大表示]
図1:寒冷地向けルームエアコン「ズバ霧ヶ峰」
左が「FD」シリーズ、右が「ZD」シリーズ。(出所:三菱電機)

 デュアルオンデフロスト回路は、熱交換器を上下に分けて使用する(図2)。一方で霜取りに使った冷媒を、暖房運転している他方に合流させて再利用し、外気から取り込む熱を増幅させる。さらに、大容量の圧縮機で外気から多くの熱を取り込めるようにしたため、霜取りに熱を使いながらも室内の暖房運転に必要な熱を確保する。

図2:「デュアルオンデフロスト回路」のイメージ
(出所:三菱電機)
[画像のクリックで拡大表示]

 室外機の着霜状況によっては、従来の霜取り方式に切り替える。その際は、霜取り前に室温を高める機能「室温キープシステム」で霜取り中の室温低下を抑える。デュアルオンデフロスト回路と室温キープシステムを使い分けるモード「快適ノンストップ暖房」により、霜取り中も暖かさを維持する。従来製品には、室外機の熱交換器に付着した霜を溶かす霜取りの際に暖房運転を停止しなけらばならず、室温が低下する課題があった。

 加えて新シリーズは、AI(人工知能)技術を備えた赤外線センサー「ムーブアイmirA.I.」も搭載する。リモコンで「おまかせA.I.自動」を選ぶと、同センサーが部屋の中を360°センシングして床・壁の温度の温度や窓からの日射熱、外気温の変化などを検知。部屋にいる1人ひとりが少し先に体感する温度変化と湿度を予測し、AIが最適な運転モードと気流に自動で切り替えることで、快適性の向上を図る(図3)。

図3:「おまかせA.I.自動」による運転モードや気流の切り替えイメージ
(出所:三菱電機)
[画像のクリックで拡大表示]

 その他、寒冷地での冷房需要にも対応し、高い外気温環境下でも運転を継続できる機能「STRONG冷房」を採用した(図4)。圧縮機や電子基板などを構成する各部品について外気温が高いときにかかる負荷を軽減するよう運転制御を最適化するアルゴリズムを開発。気流・温度分布解析を用いて部品が動作できる限界温度を評価・検証した。室外機吸い込み口付近の温度が46℃でも冷房運転が可能になった。

図4:気流・温度分布の解析(左)と、室外機吸い込み口付近の温度46℃を試験室で再現した様子(右)
(出所:三菱電機)
[画像のクリックで拡大表示]

 ラインアップは、左右独立駆動のプロペラファンを装備するFDシリーズが定格冷房能力4.0k~7.1kWの4機種で、クロスフローファン(ラインフローファン)を搭載するZDシリーズが同2.5k~7.1kWの6機種。同年8月には、上記の機能のうちSTRONG冷房のみを採用したクロスフローファン式の「XD」シリーズ7機種も発売する。XDシリーズの定格冷房能力は2.2k~6.3kW。