村田製作所は、実装面積が1.6mm×1.2mmと小さい表面弾性波(SAW:Surface Acoustic Wave)デュプレクサー(分波器)を発売した(ニュースリリース)。デュプレクサーは、送受信アンテナの後段に実装して、送信信号と受信信号を分離する役割を果たすデバイスである。1.8mm×1.4mmの従来品に比べると、実装面積を約24%削減した。同社によると、「業界最小サイズ」を実現したという。スマートフォンなどに向ける。

1.6mm×1.2mmのSAWデュプレクサー(左側2つ)と、0.9mm×0.7mmのSAWフィルター(右側2つ)。村田製作所の写真
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 対応する周波数帯域は700M〜2.6GHzである。3GPP(Third Generation Partnership Project)で定められたバンド1(2.1GHz帯)、バンド2(1.9GHz帯)。バンド3(1.8GHz帯)、バンド5(850MHz帯)、バンド7(2.6GHz帯)、バンド8(900MHz帯)、バンド20(800MHz帯)に対応した製品を用意した。バンド1に対応する製品が「SAYAVシリーズ」、バンド2とバンド20に対応する製品が「SAYAPシリーズ」、バンド3とバンド5、バンド7、バンド8に対応する製品が「SAYRVシリーズ」である。

 実装面積を小さくしたものの、SAWデュプレクサーに求められる基本特性は従来品と同等以上を確保したという。例えば、送信と受信の伝送特性(通過損失)や、送信と受信の間のアイソレーション特性は従来品と同等以上。耐電力については、「5G通信システムなどにおけるスマートフォンのハイパワー化に備えて、より大きな電力を扱えるように業界に先駆けて改善した」(同社)としている。

 このほか、実装面積が0.9mm×0.7mmと小さいSAWフィルター「SAFFWシリーズ」も併せて発売した。実装面積は、1.1mm×0.9mmの従来品に比べると約37%削減した。SAWデュプレクサーと同様に、700M〜2.6GHzの周波数帯域に対応する。

 SAWデュプレクサーとSAWフィルターどちらも、すでに量産を始めている。価格は明らかにしていない。