エイブリックは、自己消費電流が5.0μA(標準値)と少ないながらも、最大出力電流が1Aと大きい車載機器向けLDOレギュレーターIC「S-19214シリーズ」を発売した(ニュースリリース)。同社によると「業界トップクラスの低自己消費電流を達成した」という。現在、自動車に搭載される電子制御ユニット(ECU)は増加の一途をたどっている。このため「1つひとつのECUに許容される自己消費電流(暗電流)が非常に小さくなっているので、マイコンなどの低消費電流化に加えて、電源ICの自己消費電流の削減も重要になってきた。その一方で、マイコンは多機能化が進んでいるため、動作時の消費電流は増加の一途をたどっている。こうした自己消費電流の削減と、出力電流の増大という双方の要求に応えるために、今回のICを製品化した」(同社)。車載用半導体ICの品質規格「AEC-Q100」に準拠する。自動車業界の生産部品承認プロセス(PPAP)に対応できる。車載用電子機器のほか、民生機器の定電圧電源にも適用可能だ。

今回の新製品の特徴。エイブリックの図
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 入力電圧範囲は+2.8〜36.0Vで、絶対定格は+45Vである。このため+12V出力の車載バッテリーに直接接続することが可能だ。出力電圧が+1.8Vや+3.0V、+3.3V、+5.0V、+8.0V、+12.0Vに固定されている製品のほか、+1.8〜30.0Vの範囲で外付け抵抗を使って設定できる製品も用意した。出力電圧の誤差は±1.5%。ドロップアウト電圧(入出力電圧差)は、+3.0V出力時に0.32V(最大値)、+5.0V出力時に0.22V(最大値)。負荷過渡応答特性に優れるという。例えば、出力電流が1mAから400mAに変化したとき、出力電圧の変動幅を同社従来品に比べて約55%低減できるという。「業界トップクラスの負荷過渡応答特性を実現した」(同社)。

 入出力のコンデンサーには、1.0μF以上の積層セラミックコンデンサーが使える。過電流保護機能やサーマルシャットダウン機能、オン/オフ回路などを搭載した。オフ時の消費電流は0.1μA(標準値)。パッケージはTO-252-5S。動作温度範囲は−40〜+125℃。価格は明らかにしていない。

 このほか、最大出力電流が500mAのLDOレギュレーターIC「S-19213シリーズ」も併せて発売した。自己消費電流は、S-19214シリーズと同様に5.0μAと少ない。パッケージはTO-252-5S。動作温度範囲は−40〜+125℃である。価格は明らかにしていない。