富士通セミコンダクターは、8MビットReRAMである「MB85AS8MT」の提供を2019年9月から始める(ニュースリリース)。同社によれば、8MビットはReRAMの量産品としては世界最大容量だという。

 新製品のReRAMは、富士通セミコンダクターとパナソニック セミコンダクターソリューションズが共同開発した書き換え可能な不揮発性メモリーICである。電源電圧範囲は1.6~3.6Vと広い。EEPROM互換のコマンドおよびタイミングで動作するSPIインターフェースを備える。

今回の新製品。富士通セミコンの写真

 富士通セミコンは、これまで、EEPROMやシリアル・フラッシュ・メモリーの置き換えを狙って、FRAM製品を積極的に提供してきた。その際、FRAMがこれらに比べて、書き換え耐性が高く、高速書き込みが可能なことを訴求していた。これで、データログが頻繁に発生するアプリケーションや瞬断対策に、書き換え可能な不揮発性メモリーICを使いたいという要求に応えてきたとする。

 今回、「書き換えは頻繁ではないが、何度もデータの読み出しをするアプリケーションに向けて、読み出し時の電流が少ない、書き換え可能な不揮発性メモリーICが欲しい」という要求に応えようと、新製品を開発した。実際、新製品の平均読み出し電流は0.15mA(5MHz動作時)と「非常に小さい」(同社)。このため、データの読み出しが頻繁にある電池駆動駆動の機器で、電池寿命の引き延ばしに効果があるとする。

新製品の特徴的な仕様。左は「読み出し時の消費電流が小さいこと」をアピール。右はEEPROM互換のSOPと、小型のWL-CSPという2つのパッケージを用意していること」をアピール。富士通セミコンの図
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 また、既存のEEPROMとピン互換の8ピンSOPに加えて、2mm×3mmと小型のパッケージ(11ピンWL-CSP)も用意し、小型の機器への搭載を可能にした。同社は具体的な応用先として、補聴器やスマートウォッチ、スマートバンドといった小型のウエアラブルデバイスを挙げている。

 新製品のそのほかの主な仕様は以下の通り。語構成は1M語×8ビット(=8Mビットの容量)。動作周波数は最大10MHz。書き込みサイクルは10ms。ページサイズは256バイト。書き込み保証回数は100万回。読み出し保証回数は無限とする。データ保持期間は10年(+85℃)。価格は発表されていない。