フランスMichelin(ミシュラン)日本法人の日本ミシュランタイヤは2021年8月2日、スポーツタイプの電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)向けの新タイヤ「MICHELIN PILOT SPORT EV」を同年9月に発売すると発表した。19インチから21インチまでの計5サイズを用意する。価格はオープン。世界的なカーボンニュートラル(温暖化ガスの排出量実質ゼロ)需要の拡大を商機に訴求を図る。

Michelinの電動スポーツ車向けタイヤ「MICHELIN PILOT SPORT EV」
(出所:日本ミシュランタイヤ)
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 乗用タイプのEVやHEVに比べて、スポーツタイプは電池をはじめとする基幹部品が大きく重い。さらに、初期トルクなども大きいことから緻密なタイヤ設計が欠かせない。同社は「EVのF1」と呼ばれるフォーミュラレース「フォーミュラE」用に供給するタイヤの材料技術を応用。高いグリップ力を得ながら、駆動力を確実に路面に伝える設計を目指した。

 電力消費や燃料消費を抑えるために転がり抵抗値の低減にも力を入れた。接地面の外側に当たるショルダー部分にエネルギー損失の小さい材料を適用。加えて、接地面の内部に組み込んだ「スリムベルト」と呼ぶ補強材によって、耐久性を維持しながら内部構造の薄型化した。これらにより、転がり抵抗値の低減を実現した。

 同社は事業活動での脱炭素化に積極的な姿勢を見せており、30年には工場における燃料の燃焼など事業者自らによる温暖化ガスの直接排出(Scope1)や、電力など他社から供給を受けたエネルギーの使用に伴う間接排出(Scope2)を合わせて、二酸化炭素(CO2)排出量を10年比で50%減らす目標を掲げる。さらに、50年までのカーボンニュートラル達成を目指している。

 今後の争点は、Scope1とScope2以外の間接排出(Scope3)部分の脱炭素化だ。タイヤ使用時の排出CO2はこのScope3に当たる。同社はEVやHEV向けの低電費・低燃費タイヤを供給することで、カーボンニュートラルに貢献したい自動車メーカー、そして個人利用者の需要を開拓できるとみる。