スカイディスク(福岡市)は、2021年10月に提供開始予定の生産スケジューラー「最適ワークス」に導入段階のマスターデータ作成とスケジューリングの2つの機能に、人工知能(AI)を利用していると明らかにした。このうち前者に当たる「マスタデータ作成エンジン」は、現状の数日分の生産計画と実績データを読み取り、品目同士での製造順の前後関係や製造設備の取り合いといった制約条件をAIによってひもといてマスターを作成し、スケジューラーに入力できる表現形式で書き出す。スケジューラー導入の際に問題になる場合が多い、マスター作成の手間の軽減を目的とする(図1)。

図1 SaaSで提供する生産スケジューラー「最適ワークス」の画面の例
図1 SaaSで提供する生産スケジューラー「最適ワークス」の画面の例
(出所:スカイディスク)
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 後者に当たる、「汎用型最適化エンジン」によるスケジューリングもAIを利用した計算だが、こちらは「組み合わせ問題を最適に解く汎用的なAIエンジン」(スカイディスク)。それに対してマスタデータ作成エンジンはスカイディスクが独自に開発した(図2)。「とりあえず最初に生産計画を作成してガントチャートで表示してみるまでの所要時間を大きく削減できる」(同社)としている。

図2 生産スケジューラー「最適ワークス」の機能構成
図2 生産スケジューラー「最適ワークス」の機能構成
スケジューリングの計算だけでなく、マスターデータ作成支援にもAIを応用しているのが特徴。(出所:スカイディスク)
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 最初から完全なマスターはほぼできないが、作成した生産計画を担当者が見て、マスターに不足している制約条件を入力する。再びマスターデータ作成とスケジューリングの計算をAIが高速に実行し、チェックと再修正を素早く反復できるという。

 最適ワークスはSaaS(Software As a Service)で提供する。中堅中小企業向けのメニューは初期導入費用が30万円(税別、以下同じ)、月額の利用料金が5万円。大企業向けのメニューはそれぞれ90万円と15万円。21年7月にβ版のサービスを開始しており、同年10月に正式版のサービスを始める予定。

 スカイディスクは最適ワークスの事業に関して、中小企業庁と中小企業基盤整備機構の「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(ビジネスモデル構築型)」に応募しており、中小製造業向けDX(デジタルトランスフォーメーション)支援事業として補助対象に採択された。このため22年3月までの期間、資本金3億円以下または常勤の従業者数300人以下の企業が導入する場合、初期導入費用が無償になり、12カ月間の利用料金が半額になるとともに、スケジューラー導入による事業改善の検証と、検証内容を反映した事業計画策定の支援を受けられる。ただし35社までの限定で、枠が埋まり次第終了になる。