ルネサス エレクトロニクスは、同社のArmコアMPU(Micro Processing Unit)に向けたシステム電源IC(パワーマネジメントIC)を発売した。CPUを「Arm Cortex-A55」と「Arm Cortex-M33」で構成する、産業用Linux機器向け汎用MPU「RZ/G2L」*1と、AI推論やビジョン処理向けMPU「RZ/V2L」*2に、新製品は最適化したという。

ArmコアMPUに向けたシステム電源ICを発売
(出所:ルネサス エレクトロニクス)
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 今回の新製品を使えば、これらのArmコアMPUの動作に必要な電源電圧をすべて生成して供給できるほか、MPUと組み合わせて使うDDR型DRAMメモリーやEthernet物理層(PHY)ICなどに供給する電源電圧も作れる。応用先は民生機器や産業機器などである。

 新製品の型番は「RAA215300」。9チャネル出力のパワーマネジメントICである。9チャネル出力の内訳は、同期整流方式の降圧(バック)型DC-DCコンバーター回路が6個、LDOレギュレーター回路が3個。降圧型DC-DCコンバーター回路のスイッチング素子と、LDOレギュレーター回路のパストランジスタをいずれも集積している。このうち降圧型DC-DCコンバーター回路の最大出力電流は、5Aが1個、3.5Aが1個、1.5Aが2個、1Aが1個、0.6Aが1個。LDOレギュレーター回路の最大出力電流は、300mAが2個、50mAが1個である。

新製品の応用回路例
(出所:ルネサス エレクトロニクス)
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 このほかコイン型電池/電気2重層コンデンサー向け充電回路や、水晶発振回路、リアルタイムクロック(RTC)回路、ウオッチドッグタイマー、不揮発性メモリー(EEPROM)、最大1MHz動作のI2Cインターフェース、6本のマルチパス入出力(MPIO)などを集積した。不揮発性メモリーにデータを書き込むことで、出力電圧の電源シーケンスや、各チャネルの出力電圧、スイッチング周波数をユーザーが設定可能。スペクトラム拡散クロック機能を搭載しており、放射電磁ノイズ(EMI)のピーク値を抑えられる。

 入力電圧範囲は+2.7〜5.5V。パッケージは、実装面積が8mm×8mmの56端子QFN。同社によると「4層プリント基板への実装が可能なため、低コスト化を図れる」という。動作温度範囲は−40〜+105℃。量産は2022年第1四半期に開始する予定。価格は明らかにしていない。