ルネサス エレクトロニクスは、車載機器に向けて、デュアルチャネル(2回路)構成のDC-DCコンバーター制御ICを2製品発売した(ニュースリリース)。2製品の違いは、制御対象のDC-DCコンバーターの種類にある。「ISL78264」は、制御対象が2つとも降圧型DC-DCコンバーター。「ISL78263」は、1つの回路が降圧型DC-DCコンバーターでもう1つの回路が昇圧型DC−DCコンバーターである。

 どちらの製品も同期整流方式に対応しており、外付けのハイサイドMOSFETとローサイドMOSFET を駆動するゲートドライバーを集積した。ゲートドライバーの駆動能力はソース(吐き出し)時に最大2A、シンク(吸い込み)時に最大3Aである。特徴は、2製品どちらも自己消費電流が少ない点だ。1回路当たり6μA(標準値)である。

車載機器に向けたデュアルチャネル構成のDC-DCコンバーター制御IC
ルネサス エレクトロニクスのイメージ
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 ISL78264の入力電圧範囲は+3.75〜42V。出力電圧範囲は2つのDC-DCコンバーター回路で異なる。一方の回路は、+3.3Vもしくは+5.0Vを端子設定で選べるほか、外付け抵抗を使って+0.8〜5.0Vの範囲でユーザーが設定できる。もう一方の回路は外付け抵抗を使って+0.8〜32Vの範囲でユーザーが設定可能だ。ISL78263の入力電圧範囲は+2.1〜42V。出力電圧範囲は降圧型DC-DCコンバーター回路の方は+3.3Vもしくは+5.0Vに端子設定で選択できるほか、外付け抵抗を使って+0.8〜5.0Vの範囲で設定可能。昇圧型DC-DCコンバーター回路の方は+5.0〜40Vの範囲で外付け抵抗を使って設定できる。

 2製品どちらも、+12Vの車載バッテリーを入力電力源に想定する。ISL78264は+12Vを、+5Vや+3.3Vに降圧する用途に向ける。供給可能な出力電力は50〜200W。ISL78263は、バッテリーの出力電圧がクランキング時や始動/停止時に+2.1Vまで下っても、+3.3Vや+5.0Vに昇圧して出力することが可能だ。供給可能な出力電力は25〜100Wである。「当社の車載用SoCであるR-Car H3やR-Car M3を搭載する車載用インフォテインメント機器や、デジタルコックピット用ECU(電子制御ユニット)などに向ける」(同社)という。

 フィードバックループの制御方式は2製品どちらも電流モードである。スイッチング周波数は200k〜2.2MHzの範囲で設定できる。このためAMラジオ放送の周波数帯域を避けることが可能だ。外部クロック源と同期させて動作させたり、プログラマブルなスペクトラム拡散クロック機能を利用したりして、放射電磁雑音(EMI)を抑えることができる。最小オン時間は25nsと短い。ISL78264は、2つの降圧型DC-DCコンバーターの出力電圧の位相を180度ずらして1つにまとめて出力するマルチフェーズ構成が可能である。

 2製品どちらも、過電圧保護機能や低電圧保護機能、過電流保護機能、温度過上昇保護機能、ブートストラップダイオードの供給電圧低下検出機能、ハイサイドMOSFETの保護に向けたリフレッシュ回路などを備える。パッケージは、実装面積が5mm×5mmの32端子WFQFN。ウェッタブルフランク構造を採用する。動作温度範囲は−40〜+125℃。車載用半導体ICの品質規格「AEC-Q100グレード1」に準拠する。すでに販売を開始している。価格は明らかにしていない。