英Dialog Semiconductor(ダイアログ・セミコンダクター)は、最大出力電流が40Aと大きい車載機器向け降圧(バック)型DC-DCコンバーターICを発売した。電源制御回路のほかに、ハイサイドとローサイドのパワーMOSFETを1チップに集積している。同社によると、「車載機器向けで、電源制御回路とパワーMOSFETを集積した、最大40A出力の降圧型DC-DCコンバーターICの発売は業界初」という。なお、データセンサー機器やコンピューター機器など向けでは、米Texas Instruments(テキサス・インスツルメンツ)が2020年3月に最大40A出力品を発売している*

最大40A/20A出力の車載機器向け降圧型DC-DCコンバーターIC
(出所:Dialog Semiconductor)
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 これまで、車載機器において最大40A出力の降圧型DC-DCコンバーター回路を実現するには、電源(PWM)制御ICとディスクリートのパワーMOSFETを組み合わせる必要があった。新製品を使えば、数個の受動部品を外付けするだけで降圧型DC-DCコンバーター回路を構成できる。「このため、プリント基板上の実装面積は最大170mm2に抑えられ、部品(BOM)コストも低減できる」(同社)という。新製品は車載用半導体ICの品質規格「AEC-Q100」に準拠する。GPUやAI処理コアなどを集積した車載機器向けSoC(System on a Chip)に電力を供給する用途に向ける。応用先の機器は、車載ナビゲーションシステムやテレマティックス機器、車載用インフォテインメント機器、ADAS機器などである。

 新製品の型番は「DA9141-A」。同期整流方式を採用する。4つの出力を備えており、それらを1つに束ねることで最大40Aの出力電流が得られる。すなわち4フェーズ構成である。入力電圧範囲は+2.8〜5.5V。出力電圧は+0.3〜1.3Vの範囲でユーザーが設定する。出力電圧の誤差は±1%と小さい。スイッチング周波数が4MHzと高いため、外付けの受動部品に小型品が使える。パッケージは、実装面積が4.5mm×7.0mmの60端子FCBGA。動作温度範囲は−40〜+125℃である。

最大40A出力品の内部ブロック図と応用回路例
(出所:Dialog Semiconductor)
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 このほか、最大出力電流が20Aの車載機器向け降圧型DC-DCコンバーターIC「DA9142-A」を併せて発売した。電源制御回路のほか、ハイサイドとローサイドのパワーMOSFETを1チップに集積した。2つの出力を用意しており、それを1つに束ねることで最大20Aの出力電流を得る。2フェーズ構成である。入力電圧範囲や出力電圧範囲、スイッチング周波数、パッケージなどの仕様は、DA9141-Aと同じである。

 2製品どちらもすでに販売を始めている。価格は明らかにしていない。