旭化成エレクトロニクスは、1次導体に連続的に流せる電流が最大60ARMSと大きい片極検知タイプのコアレス電流センサーIC「CZ-372x」を発売した(ニュースリリース)。これまで同社は、インバーターや交流(AC)サーボモーターなどの相電流検出に向けた両極検知タイプのコアレス電流センサーを製品化してきた。しかし、太陽光発電用パワーコンディショナーなどのように、一方向に流れる電流を測定する用途では、両極検知よりも片極検知の方がSN比を高められるという。具体的な応用先は、太陽光発電用パワーコンディショナーのほか、ACモーターやDC(直流)モーター、無停電電源装置(UPS)などを挙げている。

60A対応のコアレス電流センサーIC。旭化成エレクトロニクスの写真
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 コアレス電流センサーは、測定する電流を流す1次導体をパッケージに内蔵しており、それが作る磁界をホール効果素子で検出することで電流を測定する。1次導体の抵抗は0.27mΩ(標準値)と小さい。このため、発熱量を抑えられるので、最大60ARMSを流すことが可能になった。出力は、測定する電流値に比例したアナログ電圧である。

 出力不飽和電流範囲が異なる7製品を用意した。例えば、「CZ-3720」の出力不飽和電流範囲は−0.4〜10.3Aである。電流感度は400mV/A。電流感度の温度特性は±0.6%。ゼロ電流電圧温度特性は±5.4mV。総合誤差は1.0%FS(標準値)と小さい。電流換算の出力電圧雑音は、30mARMS(標準値)。応答時間は1.0μsである。同社独自の表面実装対応パッケージに封止した。端子数は10本で、外形寸法は12.7mm×10.9mm×2.25mm。沿面距離と空間距離はいずれも8mmを確保した。600VRMSの強化絶縁に対応する。安全規格は、「UL1577」や「IEC/UL60950-1」に準拠する。動作接合部温度範囲は−40〜+150℃。価格は明らかにしていない。