台湾ヌヴォトン(Nuvoton Technology)は、「Arm Cortex-M23」をCPUとして集積したMCU「M261/M262/M263シリーズ」を発表した(ニュースリリース)。セキュリティー機能が充実し、低消費電力のため、IoT(Internet of Things)用途に最適だという。

新製品(M263KIAAE)の機能ブロック図。Nuvotonの図
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 集積したCortex-M23は最大96MHzで動作し、Nuvotonがこれまで提供してきた「Cortex-M0」ベースのMCUとコード互換性が保たれるとする。新製品のフラッシュメモリー容量は最大512Kバイトで、2バンク構成としてOTA(Over The Air)アップデートが可能。SRAM容量は最大96Kバイト。

 IoT向けの特徴として、まず、低消費電力なことを挙げる。動作時の消費電流は97μA/MHz(LDOモード)、または45μA/MHz(DC-DCコンバーターモード)に抑えられる。スタンバイ電流は2.8μA、ディープ・パワー・ダウン・モード時は2μA未満とされる。復帰も迅速とし、ファスト・ウエイクアップ・パワーダウン・モードからは9μsで動作モードに復帰できる。RTC(Real Time Clock)を内蔵し、独立したVBAT端子を用意するなど、電池駆動のアプリケーションに最適と同社は説明する。

 同社はセキュリティー機能が豊富なことも、IoT向けだとアピールしている。例えば、TRNG(True Random Number Generator)内蔵の暗号化アクセラレーターを備える。このアクセラレーターは、AES-128/192/256やDES/3-DES、SHA、ECCのアルゴリズムに対応する。また、クリティカルなプログラムコード向けに4リージョンのXOM(eXecute-Only-Memory)を集積したり、物理的な攻撃への対策として最大6個のタンパー検出端子を備えることができるという。

 この他、周辺回路として、タイマー/ウォッチドッグタイマー、PDMA(Peripheral DMA)、EBI(外部バスインターフェース)、LPUART(Low Power UART)、USCI(Universal Serial Control Interface)、QSPI、SPI/I2S、I2C、Smart Cardインターフェース(ISO-7816-3)、GPIOおよび最大24チャネルのPWMを集積している。また、SD Memory Card Specification Version 2.0準拠のSDHC(Secure Digital Host Controller)を備え、3.3V・50MHz動作で200Mビット/秒の転送速度を実現する。さらに、16チャネル入力で3.76Mサンプル/秒の12ビット逐次変換型A-D変換器、1Mサンプル/秒の12ビットD-A変換器(2個)、rail-to-railのアナログコンパレーター(2個)、温度センサー、低電圧リセット(LVR)、ブラウンアウト検出器なども集積している。

 M261、M262、M263の違いは、USB 2.0 FullSpeed OTGとCANのサポートの有無にある。どちらもサポートしていないのが、M261シリーズ。USB 2.0 FullSpeed OTGインターフェースを集積したのが、M262シリーズ。USB 2.0 FullSpeed OTGとCAN Bus 2.0Bの両方を集積したのが、M263シリーズである。

 新製品のM261/M262/M263の電源電圧は1.8~3.6V。動作温度範囲は-40~+105℃。パッケージは5mm×5mmの33ピンQFNと7mm×7mmの64ピンLQFP、及び14mm×14mmの128ピンLQFPを用意する。ピン配置はM261/M262/M263で共通とされる。既にNuvotonの直販サイトでの販売は開始されており、価格は1000個発注時に1個当たり1.96米ドル(M261ZIAAE)~2.32米ドル(M263KIAAE)である(記事執筆時点の価格)。

 開発向けにNuvotonは2種類の評価ボードを用意した。「NuMaker-IoT-M263」は多機能タイプで、9軸センサーと環境センサー、Bluetooth/Wi-Fi/LoRaのモジュールを搭載する。GPS付きの2G/3G/4G-LTE/NB-IoTモジュールを追加できる。「NuMaker-M263KI」はシンプルな評価ボードで、Nuvotonの直販サイトでの価格は20米ドルである(記事執筆時点の価格)。ソフトウエア開発向けにはNu-LinkデバッガーおよびNuEclipse IDE(GCCコンパイラー)が提供される他、Keil MDK/IAR EWARMなどのサードパーティーの開発環境も利用できる。

多機能評価ボードの「NuMaker-IoT-M263」。Nuvotonの写真
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シンプルな評価ボードの「NuMaker-M263KI」。Nuvotonの写真
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