組み込み向けAI(人工知能)開発ベンチャーのエイシング(東京・港)は2021年8月31日、過去にAI開発プロジェクトを凍結した企業を顧客として、PoC(概念実証)の再生支援サービス「Re-PoC(リポック)」を始めると発表した。過去にPoCを実施したものの、うまくいかなかったAIの導入案件について、同社が改善を提案する。

PoC再生支援サービス「Re-PoC」の概要
AIのモデルサイズが大き過ぎたり推論速度が不足したりすると「PoC止まり」の原因になるという。(出所:エイシング)
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 エイシングは軽量なAI技術に強みを持ち、マイコンなどの組み込みシステムや機械制御を想定したアルゴリズム開発に力を入れている。同社のエッジAIアルゴリズム「AiiR」シリーズはクラウド接続を必要とせず、エッジデバイスだけで学習と予測を処理できるのが特徴。

 同社によると、AIの導入を目指している企業が「PoC止まり」に陥り、プロジェクトを凍結してしまう事例は少なくない。「例えば、サーバーやパソコンを使ったPoCが成功したとしても、実装するハードウエアの性能に制約があれば、AIの精度低下といった課題が生じてくる」(同社代表取締役CEOの出澤純一氏)。

 そうした課題を抱える企業に対して、エイシングは同社の軽量なAI技術を活用したPoCのやり直しを提案する。過去に実施したPoCの要件とデータを顧客から引き取り、アルゴリズムを同社のAIに変更。顧客が利用したいハードウエアの性能に合わせて、実装可能なモデルサイズのAIを構築する。

 同社はまず、21年10月29日までの期間限定でモニター企業5社を募集し、Re-PoCによる再生支援サービスを無料で提供する予定だ。