コマツが、建設機械の訓練用VRシミュレーター「WorksiteVR Simulator」の拡販に注力している。注目すべきは、建機の免許取得プログラムへの導入を視野に入れている点だ。

 同システムを開発したのはオーストラリア・イマーシブテクノロジーズ(Immersive Technologies)。コマツは、2019年6月14日にImmersiveの買収を発表している。同社が持つ、顧客現場の安全性や生産性の向上、オペレーションの最適化を目的としたシステムを日本国内でも展開していく。

 WorksiteVR Simulatorは、VR空間で疑似的に建機を操作できるシミュレーター(図1、2)。両手で異なるレバーを扱い、両足でペダルを踏む複雑な操作を、室内で訓練できる。「VRを活用することで、建機の事故や故障の防止、燃料の節約を実現できる」(コマツの担当者)という。

図1 建設機械の訓練用VRシミュレーター「WorksiteVR Simulator」
コマツが「日本・アフリカビジネスEXPO」(パシフィコ横浜、開催期間2019年8月28~30日)で実機を披露した。(撮影:日経 xTECH)
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図2 WorksiteVR Simulatorの構成部品
(撮影:日経 xTECH)
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 2019年3月時点での導入実績は、世界では54台だが、日本では5台にとどまる。コマツが導入先として開拓を狙うのが建機の免許を取得するための教習所だ。

 同システムは、操作の時間や正確性などを点数化するテスト機能を備える。免許プログラムへの導入が実現すれば、「一般的なシミュレーターと実技の間に生じるギャップを解消する役割が期待できる」(コマツの担当者)という。

 免許取得プログラムへの導入と並行してコマツは、免許保持者の教育にもVRシミュレーターの利用を提案する。油圧ショベルに代表される建機の操作方式には様々な規格(パターン)が存在する。WorksiteVR Simulatorは油圧ショベルの国際標準規格のISOパターンに準拠。コマツパターンや日立建機パターンといった他の規格に慣れた操縦者に、ISOパターンに習熟させる場合に活用できそうだ。