米Texas Instruments(TI)は、従来品に比べて電池(バッテリー)駆動時間を約50%延ばすことができる昇降圧型DC-DCコンバーターIC「TPS63900」を発売した(ニュースリリース)。「ダイナミック電圧スケーリング(DVS:Dynamic Voltage Scaling)機能と、プログラム可能な入力電流制限機能を搭載することで、バッテリー駆動時間の延長を実現した」(同社)という。例えば、ダイナミック電圧スケーリング機能を使えば、軽負荷時には低い出力電圧に移行し、通常動作時は高い出力電圧に戻るといった使い方が可能になる。このため、軽負荷時の消費電力を抑え、バッテリー駆動時間の延長が可能になった。出力電流が10μAの軽負荷時の変換効率は92%が得られるという。待機時の消費電流は75nA(標準値)と少ない。スマートメーターやセンサーノード、産業用IoT機器、電子スマート錠、ウエアラブル機器、医療用センサー機器、患者モニター機器、アセットトラッキングなどに向ける。

バッテリー駆動時間を約50%延ばすことができる昇降圧型DC-DCコンバーターICの応用例(スマートメーター)
Texas Instrumentsのイメージ
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 4個のスイッチング素子で構成する電力変換段を採用した。スイッチング素子はいずれ集積してある。オン抵抗は、2個のハイサイドスイッチが155mΩ(標準値)、2個のローサイドスイッチが110mΩ(標準値)。同期整流方式を採用する。入力電圧範囲は+1.8〜5.5V。入力電力源として、3セル直列接続のアルカリ乾電池や、1セルの2酸化マンガンリチウム1次電池(Li-MnO2)、塩化チオニルリチウム1次電池(Li-SOCl2)、1セルのLiイオン2次電池などを想定する。出力電圧は+1.8〜5.0Vの範囲において、外付け抵抗を使って100mVステップで設定できる。最大出力電流は400mAと大きい。同社によれば、「競合他社の同様の製品と比較すると、最大出力電流は約3倍が得られる」という。負荷急変時に発生する出力電圧のリップルは従来品に比べて最大で50%低減できるとする。

 入力電流制限機能は、1m〜100mAの範囲における8つの値の中からユーザーが選択できる。パッケージは、実装面積が2.5mm×2.5mmの10端子WSON。外付けのインダクターには22μH品、出力コンデンサーには22μF品が使える。DC-DCコンバーター回路全体の実装面積は21mm2で済む。動作温度範囲は−40〜+85℃。すでに販売を始めている。1000個購入時の参考単価は0.80米ドルである。このほか評価モジュール「TPS63900EVM」を用意している。参考単価は49米ドルである。