米Transphorm(トランスフォーム)は、GaNデバイス(GaN FET)を搭載したアナログ制御方式の力率改善(PFC:Power Factor Correction)回路評価ボード「TDTTP4000W065AN」を発売した(ニュースリリース)。PFCの回路トポロジーは、連続導通モード(CCM)のトーテムポールブリッジレス型だ。出力電力は、入力電圧範囲が180〜260Vのときに最大4kW、90〜120Vのときに最大2kWである。スイッチング周波数は65kHz。GaN FETには同社の「TP65H035G4WS」を採用した。データーセンター機器や産業機器などの電源装置に向ける。

GaNデバイスを搭載したアナログ制御方式のPFC回路評価ボード
Transphormの写真
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 同社は、2020年4月にデジタル制御方式を採用したPFC回路評価ボード「TDTTP4000W066C-KIT」を発売している(関連記事:トランスフォームとマイクロチップがGaNデバイス搭載のPFC評価ボード)。この評価ボードでは、米Microchip Technologyのデジタル・シグナル・コントローラーIC「dcPIC33CK」を使ってPFC回路を制御するというものだ。高い変換効率や高い力率が得られるなどのメリットがある一方で、ファームウエアの開発が必要という課題があった。「今回開発した評価ボードを使えば、ファームウエアを開発することなしに、GaN FETによって高い変換効率が得られるPFC回路をすぐに導入できるようになる」(同社)という。

 PFC回路のアナログ制御ICには、米Texas Instruments(TI)の「UCC28180」を採用した(関連記事:TI、スイッチング周波数を18k~250kHzの範囲で設定できるPFC制御ICを発売)。一般にアナログ制御ICは、制御方法が固定な上に、アナログ回路で構成しているため、ソフトウエアのプログラミングは不要である。搭載したGaN FETのTP65H035G4WSの耐圧は+650Vで、最大ドレイン電流は46.5A。オン抵抗は、ゲート-ソース間電圧が+10Vのときに41mΩ(最大値)と小さい。PFC回路の変換効率は、出力電力が約1.22kWのときに99.1%程度が得られる。すでに販売を始めている。インターネット通販サイトでの参考単価は864米ドルである。