米Maxim Integrated(マキシム)は、測定誤差が±0.25℃(−20~+105℃の温度範囲における最大値)と小さいデジタル出力の温度センサーIC「MAX31889」を発売した(ニュースリリース)。−40~+125℃の温度範囲における測定誤差は±0.65℃(最大値)である。同社によると、「医薬品向けコールドチェーンや医療用モニター、FAなどの用途では、±2℃の温度ばらつきも許されない。これを超える温度変化があると、例えば医薬品向けコールドチェーンでは、輸送中の医薬品が悪影響を受けたり、FAでは製造中の製品がダメージを受けたりする。その結果、企業の収益を悪化させてしまう」という。発売した温度センサーICを使えば、こうした問題を解決できる。コストが低い温度センサーICで、抵抗測温体(RTD)と同等の測定精度を実現した。「コストは、抵抗測温体の数分の1」(同社)という。

測定誤差が±0.25℃と小さいデジタル出力の温度センサーICの応用例(医薬品向けコールドチェーン)
Maxim Integratedのイメージ
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 測定分解能は16ビット(0.005℃)である。測定の再現性は0.008℃RMS(標準値)。アナログの温度情報をデジタル信号に変換する際に費やす時間は16.5ms(標準値)。長期安定性は0.015℃/1000時間(標準値)である。ホストマイコンとの接続に向けてI2Cインターフェースを備える。汎用入出力(GPIO)は2本用意した。32ワードのFIFOメモリーを集積した。最大温度や最小温度といったしきい値データを格納し、これを使ってアラーム信号を出力することができる。電源電圧範囲は+1.7~3.6V。動作時の消費電流は68μA(+25℃時の標準値)。待機時は0.55μA(+25℃時の標準値)である。パッケージは、外形寸法が2mm×2mm×0.8mmの6端子μDFN。すでに販売を始めている。1000個以上購入時の米国での参考単価は1.65米ドルである。

 このほか、信号線とグラウンド線の2つの配線で低速データを伝送する1-Wireを搭載したデジタル出力の温度センサーIC「MAX31825」を併せて発売した。1-Wireを使って、発売した温度センサーICを最大64個接続することができる。1-Wireを介して給電できるため、配線の複雑さを大幅に軽減できるという。「競合他社品は、最大8個のICしか接続できなかった。しかも給電用に別の配線を用意する必要があった」(同社)。ただし、測定誤差は、一般的な温度センサーICと同程度であり、0~+70℃の温度範囲において±1℃(最大値)、−45~+145℃において±1.75℃(最大値)である。産業機器や通信機器、データセンサー機器、民生機器などに向ける。

 測定分解能は8~12ビット(1.0~0.0625℃)の範囲でユーザーが選択できる。アナログの温度情報をデジタル信号に変換する際に費やす時間は35ms(10ビット分解能時の標準値)。電源電圧は+1.6~3.6V。動作時の消費電流は9.8μA(10ビット分解能、4変換/秒のときの標準値)。待機時は2.5μA(標準値)。パッケージは6端子WLP。すでに販売を始めている。1000個以上購入時の米国での参考単価は1.55米ドルである。

 MAX31889とMAX31825の評価キットをそれぞれ用意した。参考単価はどちらも56米ドルである。