ファナックと富士通、NTTコミュニケ―ションズ(NTT Com)の3社は、工作機械業界の各社が共通して利用できるクラウドサービス「デジタルユーティリティクラウド」の開発で協業する(ニュースリリース)。業界全体で重複している社内業務の効率化と顧客サービスの高度化を目的に、デジタル化を加速させる構想だ。

 同サービスでは、保守診断のように共通化が可能な業務や社内業務などの効率化を、各社が個別に展開するのではなく、業界全体でデジタル化しユーティリティー化する(図1)。これにより、各社が注力すべき差異化領域へ予算や開発リソースを集中させられるとする。

図1:「デジタルユーティリティクラウド」の狙い
(出所:ファナック・富士通・NTTコミュニケ―ションズ)
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 具体的には、工作機械の稼働状況などの設備データに加えて、モバイルデバイスが収集する作業ログなどの人的データ、マニュアルや仕様書といった静的データをクラウドで一括して管理し、安全に活用できる仕組みを構築・提供する(図2)。集約されたデータを、使用目的に併せて人工知能(AI)エンジンで分析することで、社内業務におけるコストやリソースの低減、顧客サービスの高度化などが可能になる。併せて、業界各社やITベンダーが開発したアプリケーションなどを顧客向けに販売する「ストア機能」も用意する予定だ。

図2:「デジタルユーティリティクラウド」のイメージ
(出所:ファナック・富士通・NTTコミュニケ―ションズ)
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 開発に当たってファナックは、工作機械メーカーの立場から同サービスに必要となる機能を企画する。さらに、製造業向けのIoTオープンプラットフォーム「FIELD system」(FANUC Intelligent Edge Link & Drive system、関連記事1)の開発を通して得た知見を生かし、エッジレイヤーも担当する。

 富士通は、製造業向けIoT基盤「FUJITSU Manufacturing Industry Solution COLMINA」(関連記事2)の開発で培ったノウハウを活用してアプリケーションレイヤーを担当。NTT Comは、ネットワークやクラウド、セキュリティーなどのサービス提供で得た知見を生かし、データ活用を安全に実現するためのICT基盤やセキュリティー機能を作り込んでいく。