作業用手袋メーカーの東和コーポレーション(本社福岡県久留米市)は、産業用ロボットのハンド部分を保護する手袋「ROBO Glove」(ロボグローブ)を2019年9月18日に発売する(図1)。水や油を使う工程でも確実にワークを把持して動作できるため、作業効率を高められる。

図1:「ROBO Glove」
On RoBoT製「RG-2」向けに製作したもの。(出所:東和コーポレーション)
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 新製品は、内側から[1]裏布、[2]強度向上のためのニトリルブタジエンゴム(NBR)層、[3]水や油の侵入を防ぐNBR層、[4]滑り止め加工の4層から成る(図2)。[1]は、用途に合わせて糸の素材や太さ、編み目を決める。

図2:ROBO Gloveの構造イメージ
表面には、凹部が吸盤のように機能する滑り止め加工「マイクロフィニッシュ」を施している。(出所:東和コーポレーション)
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 ワークに接する[4]は、同社が人間用の手袋に採用している「マイクロフィニッシュ」だ。表面に細かな凹みを形成しており、ビロードのような手触りを特徴とする。凹みの1つひとつがタコの吸盤のように働くことで、乾いていたり濡れていたり、油が付着していたりといったさまざまな状況下で高い把持力を発揮できる(図3)。滑り止め加工は表面に突起をつけたものが多いが、この場合、ワークと接するのが凸部分に集中し、全体での接地面積が狭くなる。それに比べてマイクロフィニッシュは接地面積が広く、濡れても滑りにくいという。

図3:ROBO Gloveの把持質量試験
「UR-3」のハンド部にROBO Gloveを装着し、30秒間把持できる質量を測定した。左から、乾いた状態、水で濡れた状態、油で濡れた状態の測定結果。(出所:東和コーポレーション)
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 水や油を扱う工程では、液体が侵入してロボットが故障する恐れがあることから、人手で作業せざるを得ないケースがある。また、ロボットを導入しているケースでも、液体で滑るためワークを確実に把持するのが難しく、ワークを落下させてチョコ停を引き起こすといった課題がある。ロボグローブを使えば、こうした工程で作業効率の向上を図れる。

 同社はロボグローブを、顧客が使用しているロボットの形状に合わせて製作する他、汎用品も用意する(図4)。例えばデンマークのオンロボット(On RoBoT)製「RG-2」向けには、上記の[1]にポリアミドを用いたグローブタイプと綿・ポリエステルを使ったフィンガータイプをそろえる。前者はグリッパー全体の防水性を、後者はフィンガー部分の把持力を向上させる。同ユニバーサルロボット(Universal Robots)製「UR-3」のユーザーは、ポリエステル・塩化ビニール製のカバーを備えた手袋を追加することで、ロボット本体の防水・防じん性を高められる。対応メーカー・機種については、拡大も検討している。

図4:汎用品の例
左から「RG-2」用ロボフィンガー、機種を問わずに使えるロボシート、Universal Robots製「UR-3」用のロボカバー。(出所:東和コーポレーション)
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 価格やロットは要相談。同社はロボグローブを「第2回[名古屋]ネプコン ジャパン -エレクトロニクス開発・実装展-」(2019年9月18〜20日、ポートメッセなごや)に出展する。会場では、水や油の中でロボットが作業する様子を披露する予定だ。