米Microchip Technology(マイクロチップ・テクノロジー)は、ミッドレンジと位置付けるFPGA製品「PolarFire」に2つのローエンド製品を追加した ニュースリリース 。PolarFireはSONOS(Silicon Oxide Nitride Oxide Silicon)不揮発性メモリーをプログラムスイッチに使うFPGAで、SRAMスイッチを使う一般的なFPGAに比べて低消費電力であることが特徴である*1。「競合品比で、静止時消費電力が半分」(同社)とする。

*1 関連記事 Microsemiが電力半減のミドルレンジFPGA、大手2社とガチンコ勝負
今回の新製品の応用イメージ
今回の新製品の応用イメージ
(出所:Microchip Technology)
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 FPGA市場は、大手2社、すなわち米Xilinx(ザイリンクス)と米Altera(アルテラ、その後米Intel(インテル)が買収)が次々に打ち出す大規模製品にけん引されてきた。その流れにくさびを打ち込んだのが米Lattice Semiconductor(ラティスセミコンダクター)である*2。小規模品を投入し、低消費電力が必須のスマートフォンなどにも採用された。Microchipが今回発売した新製品は、大手2社が優勢な市場よりも、Latticeが切り開いた小規模市場を狙ったものといえる。

*2 関連記事 エッジのFPGAを総取りする、Lattice Semicon社長

 今回の新製品は「PolarFire FPGA」の「MPF050T」と、CPUコアを混載した「PolarFire SoC」の「MPFS025T」の2つ。前者のMPF050Tは48K個のLE(Logic Element)と3.6MビットのSRAM、150個の乗算機などを集積する。いずれも、PolarFire FPGAの既存品の中では最小規模だった「MPF100T」の約1/2である。

「PolarFire FPGA」の機能ブロック図
「PolarFire FPGA」の機能ブロック図
(出所:Microchip Technology)
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「PolarFire FPGA」製品の主な仕様
「PolarFire FPGA」製品の主な仕様
赤枠で囲んだ「MPF050T」が今回の新製品である。(出所:Microchip Technology)
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 一方、後者のMPFS025Tは、23K個のLEと1.8MビットのSRAM、68個の乗算器、さらにRISC-VのCPUコアを集積している。RISC-V CPUコアは、制御用の「E51」が1つとアプリケーション処理用の「U54」が4つ、さらに2MバイトのL2キャッシュ、DDR4/LPDDR4対応メモリーコントローラーなどからなる。MPFS025TのLE数やSRAM容量、乗算器数は、PolarFire SoCの既存品の中では最小規模だった「MPFS095T」の約1/3である。

「PolarFire SoC」の機能ブロック図
「PolarFire SoC」の機能ブロック図
(出所:Microchip Technology)
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「PolarFire SoC」のFPGAファブリックの主な仕様
「PolarFire SoC」のFPGAファブリックの主な仕様
赤枠で囲んだ「MPFS025T」が今回の新製品である。(出所:Microchip Technology)
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 2製品どちらも12.5Gビット/秒のSerDesを4個とPCI Express Gen2のルートコンプレックス/エンドポイントを2個集積している。両製品の主な用途として、Microchipはスマート組み込みビジョンや車載機器、産業オートメーション、通信、防衛、IoTを挙げる。

 MPF050TとMPFS025Tは、同社が提供する開発環境「Libero 2021.2」を使うと、すぐに設計が始められるとする。両製品の量産出荷開始は2022年の第1四半期の予定である。