TDKは、低抵抗な樹脂電極を使った積層セラミックコンデンサー(MLCC)「CNシリーズ」に、容量の大きな製品を2つ追加した ニュースリリース 。どちらも、車載ECU(電子制御ユニット)や産業用ロボットに搭載される、+12~14VのDC電圧バスの電源回路に向ける。同回路で電源ラインの平滑やデカプリングで使う製品である
CNシリーズは、電極の一部に導電性樹脂層を作り込んだMLCCである。導電性樹脂層による基板たわみ応力耐性向上の効果を得つつ、同層による等価直列抵抗(ESR)の増加を抑えるために、同層を電極全体ではなく一部に絞った。TDKによれば、こうした構造の樹脂電極を開発・製品適用しているのは同社だけだという。
このシリーズには、寸法の異なる2種類の製品がある。1つは3225サイズ品(3.2mm×2.5mm×2.5mm)。もう1つは3216サイズ品(3.2mm×1.6mm×1.6mm)である。今回、両サイズで1つずつ製品を追加した。前者の3225サイズでは、+25V定格の22μF品を加えた。22μFはCNシリーズでは最大の容量である。後者の3216サイズでは+25V定格の10μF品を加えた。これまでの3216サイズで10μF品の定格電圧は+16Vが最大だった。
今回発売した3225サイズの22μF品と3216サイズの10μF品のどちらも車載グレード品と一般グレード品を用意した。車載グレード品は、車載用受動部品の品質規格「AEC-Q200」に準拠する。温度特性は、−55~+125℃の温度範囲で静電容量の変化率が最大±15%のX7R。新製品の型番と主な特性は下表の通り。
サンプル品の参考単価は、3225サイズの22μF品が66円(税込み)。3216サイズの10μF品が28円(税込み)。量産は21年9月に始める。量産規模は当初500万個/月を予定している。