伊仏合弁STMicroelectronics(STマイクロ)社は、LED駆動回路の力率を1に近づけられる制御IC「HVLED007」を発売した(ニュースリリース)。一般に、LED駆動回路は、交流(AC)入力を直流(DC)出力に変換する電源回路を使って構成する。今回は、LEDドライバー制御ICの中に全高調波歪み成分を打ち消す「入力電流整形(ICS;Input Current Shaper)」と呼ぶ回路を内蔵することで、LED駆動回路のTHDを全負荷範囲にわたって5%未満に抑えることが可能である。この結果、1に近い力率が得られるようになる。変換効率は最大で90%超が得られるとしている。最大80W出力のLED照明用途に向ける。具体的な適用先は、家庭用照明器具や商業用照明器具、工業用照明器具、街灯などである。

LED駆動回路の力率を1に近づけられる制御IC。STMelectronicsの写真
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 ピーク電流モード制御を採用した絶縁型フライバックコンバーター回路で力率改善(PFC;Power Factor Correction)を実行する。フライバックコンバーターとは、電源回路トポロジー(回路構成)の1つである。このフライバックコンバーターを駆動する動作モードは、擬似共振動作(同社はトランジションモードと呼ぶ)に対応する。交流(AC)入力をダイオードブリッジ回路で整流して、LEDを駆動する直流(DC)電圧に変換する。スイッチング素子は、外付けで用意する必要がある。パワーMOSFETとIGBTに対応する。スイッチング素子を駆動するゲートドライバー回路は内蔵した。出力段の回路構成はトーテムポール型で、駆動能力はソース(吐き出し)時に600mA、シンク(吸い込み)時に800mAである。

 起動電流は60μA(最大値)。動作時の消費電流は5.5mA(70kHzスイッチング時の最大値)で、待機時は3.9mA(最大値)とどちらも低い。出力の過電圧保護機能や過負荷保護機能、短絡保護機能などを用意した。パッケージは8端子SOP。動作接合部温度範囲は−40〜+150℃。すでに量産を始めている。1000個購入時の米国での参考単価は約0.36米ドルである。