アマダマシナリー(神奈川県伊勢原市)は、デジタルプロジェクターを搭載した光学式プロファイル研削盤「DPG-150」を21年10月20日に発売する(図1)。プロジェクターに高倍率でワークの影を投影しながら、精密に加工できる。従来は熟練の技能を要していた精度計測や補正加工が容易になるという。

図1 「DPG-150」(ATC/AWC仕様)の外観
図1 「DPG-150」(ATC/AWC仕様)の外観
(出所:アマダマシナリー)
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* アマダマシナリーのニュースリリース

 光学式プロファイル研削盤は、搭載した投影機からワークに光を当ててその影をスクリーンに大きく投影し、投影像ルーペでさらに拡大。0.1μm単位での研削を可能にする。新機種には、デジタルプロジェクターと高倍率のルーペを採用(図2)。32インチの4Kモニターに最大110倍でワーク形状を投影し、高倍率ルーペで最大400倍に拡大することで、広い視野でワークと砥石をはっきりと確認できるようになった。

図2 デジタルプロジェクターの画面イメージ
図2 デジタルプロジェクターの画面イメージ
(出所:アマダマシナリー)
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 併せて、自動計測機能と自動補正加工機能を搭載した。同社独自の画像処理ソフトを利用してワークの形状を常時計測し、完成形との誤差を表示。誤差分を自動で補正加工する。さらに、従来は作業者の目で確認していた最終仕上げの精度も自動で計測し、結果を出力・フィードバックする。製品品質の信頼性とトレーサビリティーの向上を図れる。

チャート紙不要に

 従来のプロファイル研削盤では、ワークの完成形状を描いたチャート紙を投影スクリーンに貼り付けて形状を確認しなければならなかったが、自動計測機能によってチャート紙が不要になった。これにより、トータルの作業時間を10%短縮できる上、チャート紙の作成・保管のための設備を減らせる。

 こうした機能によって、従来は作業時間の10~20%を占めていた計測作業に人手を割かずに済む。作業者の育成にかかる期間を短縮できるのに加えて、作業者による品質のバラツキも抑えられる。

 オプションで、自動工具交換(ATC)/自動ワーク交換(AWC)ロボットの追加が可能だ。ATCにより、1つの製品について荒加工から仕上げ加工までの全自動運転を、AWCにより、複数製品の連続加工を実現する。夜間など、長時間にわたって作業者が不在な場合でも自動運転が可能になり、生産性が高まる。

 DPG-150は精密金型・工具・部品加工に向く。ATC/AWC仕様については、特に現在活況である電気自動車用車載電子部品・機構部品関連のニーズを想定している。

 マシンの外形寸法は、標準仕様が幅1950×奥行き2760×高さ1850mm、ATC/AWC仕様が幅3300×奥行き2760×高さ1870mm。テーブル移動量は幅150×奥行き300×125mm、テーブル作業面は幅250×奥行き400mm、砥石台の移動量は幅150×奥行き200mmとする。最大で直径180mmの砥石を搭載し、最高2万rpmの回転速度で加工できる。価格は、標準仕様が3760万円(税別)、ATC/AWC仕様が5960万円(同)。

 現在のプロファイル研削盤市場は日本と中国、韓国が中心だが、同社は新機種により、欧州や北米、ASEAN(東南アジア諸国連合)の市場も開拓する計画。技術者の育成に力を注ぐ中国やASEANには加工支援機能をアピールし、少子高齢化と製造業従事者の減少が著しい日本と欧州、北米にはATC/AWC仕様を提案する。