ロームは、放射電磁雑音(EMI)に対する耐量を高めた車載機器向けコンパレーター(比較器)IC「BA8290xYxxx-Cシリーズ」を発売した(ニュースリリース)。EMIの全周波数帯域において、出力電圧変動が±1%以下と小さい。車載機器向けEMC(電磁環境両立性)試験の国際規格「ISO11452-2」をクリアできる。同社は「圧倒的なEMI耐量を実現した」という。市場で入手できる一般的なコンパレーターICは、EMIの影響で出力電圧が±20%程度ばらつくことがあり、誤動作(高レベルと低レベルが反転)する危険性があった。新製品を使えば、こうした危険性を回避できるほか、従来はEMI対策で必要だった外付けのフィルター回路を不要にできる。車載用半導体ICの品質規格「AEC-Q100」に準拠する。電気自動車やハイブリッド車のインバーター装置や、エンジン制御ユニット(ECU)、自動トランスミッション、電動パワーステアリング(EPS)、車載ランプ、電気自動車用充電器、カーナビ装置などに向ける。

EMI耐量を高めたコンパレーターIC。ロームの写真
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 チャネル(回路)数やパッケージが異なる4製品を用意した。その内訳は、8端子SOP封止での2チャネル品「BA82903YF-C」と、8端子MSOP封止の2チャネル品「BA82903YFVM-C」、14端子SOP封止の4チャネル品「BA82901YF-C」、14端子SSOP封止の4チャネル品「BA82901YFV-C」である。電源電圧範囲は4製品いずれも、単電源(VCC)駆動時に+2.0〜36.0V。2電源(VCCとVEE)駆動時に±1.0〜±18.0V。消費電流は、2チャネル品が0.6mA(標準値)で、4チャネル品が0.8mA(標準値)である。入力オフセット電圧は、標準値が±2mV、最大値が±5mV。入力バイアス電流は、標準値が50nA、最大値が250nA。入力電圧範囲は、VEE〜(VCC−1.5V)である。

ISO11452-2で定められているEMI評価試験の結果。新製品は、広い周波数帯域にわたって出力電圧変動が小さい。競合他社の一般品は、出力電圧が大きく変動している。ロームの資料
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 静電気放電(ESD)保護回路を内蔵した。動作温度範囲は−40〜+125℃。端子配置は、標準的なコンパレーターICと同じである。すでにサンプル出荷を始めている。量産は2019年10月に、月産100万個規模で始める予定。サンプル価格は500円(税別)である。