米Texas Instruments(TI)社は、競合他社品に比べて実装面積を最大で25%削減できるという昇降圧型DC-DCコンバーターICを4製品発売した(ニュースリリース)。小型のパッケージに封止するとともに、必要な出力コンデンサーの静電容量を低減し、0.47μと小さいインダクターを使えるようにすることで、DC-DCコンバーター回路全体の実装面積を小さくした。実装面積は製品によって異なるが、19.5〜25mm2に抑えられるという。さらに、静止時の消費電流は11μ〜15μAと少ないため、バッテリー駆動の電子機器に向くとしている。具体的な応用先は、スマートフォンやデジタルカメラ、携帯型POS端末、電力グリッド向けインフラ機器、ワイヤレスセンサー、産業用IoT機器、ワイヤレス補聴器、ワイヤレスイヤホンなどである。

今回の新製品の応用イメージ。Texas Instrumentsのイメージ
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 4スイッチ構成を採用する。フィードバックループの制御方式はピーク電流モード。昇圧モード、昇降圧モード、降圧モードという3つの動作モードを備えており、それらのモード間をシームレスに移行するという。このためグリッチ雑音は発生しない。4つのスイッチング素子(MOSFET)はすべて集積した。

 発売した4製品の違いは、最大出力電流や、入力電圧範囲、パッケージにある。「TPS63802」は、実装面積が2mm×3mmの10端子QFNパッケージに封止した。入力電圧範囲は+1.3〜5.5Vで、出力電圧範囲は+1.8〜5V。最大出力電流は2A。「TPS63805」は、実装面積が1.4mm×2.3mmの15端子DSBGAパッケージに封止した。入力電圧範囲は+1.3〜5.5Vで、出力電圧範囲は+1.8〜5V。最大出力電流は2A。「TPS63806」は、1.4mm×2.3mmの15端子DSBGAパッケージに封止した。入力電圧範囲は+1.3〜5.5Vで、出力電圧範囲は+1.8〜5.2V。最大出力電流は2.5A。「TPS63810」は、1.4mm×2.3mmの15端子DSBGAパッケージに封止した。入力電圧範囲は+2.2〜5.5Vで、出力電圧範囲は+1.825〜5.2V。最大出力電流は2.5Aである。

 例えば、TPS63802のこのほかの特性は以下の通り。ピーク電流は、昇圧モード時に4.5A、降圧モード時に3.5A。スイッチング周波数は、昇圧モード時に2.1MHz(標準値)、昇降圧モード時に1.4MHz(標準値)、降圧モード時に2.7MHz(標準値)。入力電圧変動(ラインレギュレーション)特性は0.05%(標準値)。負荷変動(ロードレギュレーション)特性は0.1%(標準値)である。静止時の消費電流は11μA。ソフトスタート機能や過熱保護機能、過電圧保護機能、負荷切断によるシャットダウン機能、順方向/逆方向の電流制限機能などを備える。

 4製品いずれも動作温度範囲は−40〜+125℃。すでに量産を始めている。1000個購入時の米国での参考単価は、TPS63802 とTPS63805が0.98米ドル、TPS63806が1.05米ドル、TPS63810が1.09米ドルである。このほか、4製品それぞれに評価モジュールを用意している。