ルネサス エレクトロニクスは、32ビットマイコン「RXファミリ」のローエンドモデル「RX100シリーズ」の新製品「RX140グループ」を、2021年9月30日に発売した ニュースリリース 。RXファミリは同社独自のCPUコア「RXコア」を集積する32ビットマイコンである。新製品はRX100シリーズとして初めて第2世代RXコア「RXv2」を集積した。同コアは最大48MHzで動作し、新製品の処理性能は204CoreMarkという。「処理性能は既存のRX130グループ*1の約2倍になった」(同社)。

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新製品「RX140グループ」と応用イメージ
新製品「RX140グループ」と応用イメージ
(出所:ルネサス エレクトロニクス)
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 新製品のRX140はRXv2コア動作時で56µA/MHz、スタンバイモード時で0.25µAと既存のRX130比で30%以上低消費電力化した。RXv2コアを停止したまま特定の周辺機能が動作する低消費電力モード(スヌーズモード)を備えており、間欠動作するアプリケーションの低消費電力化に有効である。新製品のマイコンは、家電、産業、ビルディングオートメーション(BA)など幅広い分野を狙う。

RXファミリと新製品のRX140(赤い枠で囲んでいる)
RXファミリと新製品のRX140(赤い枠で囲んでいる)
(出所:ルネサス エレクトロニクス)
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 RX140ではCPUコアに加えて、静電容量式タッチ・センシング・ユニットも更新した。最新の第3世代のユニットを搭載する。このユニットは「RAファミリ」の「RA2L1グループ」*2と「RA2E1グループ」*3、「RL78ファミリ」の「RL78/G23」*4に搭載されているが、RXファミリへの搭載は今回が初めてである。同ユニットは外来ノイズ耐性を既存品より高めており、IEC/EN61000-4-3レベル4(放射イミュニティー)とIEC/EN61000-4-6レベル3(伝導イミュニティー)の要件を満たす。これにより、タッチの検出だけでなく、静電容量の変化量を直接計測する水位検知なども可能になったとする。

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 第3世代の静電容量式タッチ・センシング・ユニットにはマルチスキャン機能がある。これで、複数電極(キー)の同時計測が可能になり、検知感度が上がった。また、スヌーズモードでのタッチの自動検出が可能で、タッチレス操作や近接センサーの開発が容易になるという。「第3世代ユニットの搭載により、RX140は電子レンジや冷蔵庫、IHコンロなどの家電だけでなく、製造装置やビルディング内の操作パネル、さらに水や粉末の残量検知などでも利用してもらえる」(同社)。

 このほか、RX140では、既存品に比べてI/Oポートを増やしたり、リアルタイム操作の通信を可能にするCANインターフェースを追加したりした。さらに、AES暗号アクセラレーターと真性正乱数発生器(TRNG)を集積し、データの盗聴や改ざんなどへの対策を講じた。RX140が集積するフラッシュメモリー容量は最大256Kバイト。SRAM容量は最大64Kバイト。電源電圧は1.8~5.5V。動作温度は-40~+85℃または-40~+105℃。パッケージは80~32ピンQFPや48/32ピンQFN。なお、RX140とRX130の間では端子配置やタッチ用端子の互換性があり、設計資産を生かしてアップグレードできるという。

新製品の機能ブロック図
新製品の機能ブロック図
(出所:ルネサス エレクトロニクス)
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 RX140には多数の製品があり、まず、フラッシュメモリー容量が64Kバイトで32~64ピンパッケージ封止品を発売し、量産を始めた。22年2月以降、順次フラッシュメモリー容量が128Kバイト以上の製品を発売する予定である。RX140の参考価格は、64ピンLFQFPパッケージ封止で64Kバイトのフラッシュメモリーを集積した「R5F51403ADFM#30」の場合、1万個一括購入時のチップ単価が1.122米ドル(税込み)である。

 評価用ボードとして、すべての信号ピンにアクセス可能な「Target Board for RX140」を用意した。この評価ボードはPmodコネクターを搭載しており、センサーモジュールを容易に取り付けられるという。また、タッチキーを容易に評価可能という「RX140搭載静電容量タッチ評価システム」を22年4月に提供開始の予定。アプリケーションソフトウエア開発向けに、統合開発環境の「e2 studio」やコード生成支援ツール「Smart Configurator」、静電容量タッチキー開発支援ツール「QE for Capacitive Touch」を用意する。

評価ボードの「Target Board for RX140」
評価ボードの「Target Board for RX140」
(出所:ルネサス エレクトロニクス)
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