米Microchip Technology(マイクロチップ)は、動作温度範囲が−40〜+125℃と広く、最大サンプリング速度が80Mサンプル/秒のA-D変換器IC「MCP37Dx1-80ファミリー」発売した(ニュースリリース)。分解能が異なる3製品を用意した。12ビット分解能の「MCP37D11-80」と、14ビット分解能の「MCP37D21-80」、16ビット分解能の「MCP37D31-80」である。いずれも車載用半導体ICの品質規格「AEC-Q100グレード1」に準拠する。ADAS(Advanced Driver Assistance Systems)機器や自動運転システムなどの車載機器のほか、低軌道(LEO:Low Earth Orbit)向け人工衛星、計測器、テスト機器、マイクロ波通信機器、LiDAR、レーダーなどに向ける。

動作温度範囲が−40~+125℃と広く、最大サンプリング速度が80Mサンプル/秒のA-D変換器IC
Microchip Technologyのイメージ
[画像のクリックで拡大表示]

 パイプライン方式を採用したA-D変換器ICである。3製品いずれも、入力部にマルチプレクサー回路を内蔵しており、最大8チャネル入力が可能である。同社によると、「デジタル信号処理機能を複数搭載したことが特徴だ。このため、後段のマイコンでの処理の負担を軽減したり、外付け部品の個数を削減したりできる」という。搭載したデジタル信号処理機能は、SN比の改善に向けたデシメーションフィルター機能や、マルチチャネル入力時の遅延時間補正に向けたフラクショナル・ディレー・リカバリー(FDR)機能、各入力チャネルに向けた位相/オフセット/利得補正機能、デジタル・ダウン・コンバーション(DDC)機能、8チャネル入力時に使える連続波ビームフォーミング機能である。このほか12ビット分解能品のみ、ノイズシェーピングに向けた再量子化器を搭載した。

 例えば、16ビット分解能品の特性は以下の通りである。アナログ信号入力の周波数帯域幅は500MHz(標準値)。積分非直線性誤差(INL)は±2LSB(標準値)。微分非直線性誤差(DNL)は±0.4LSB(標準値)。SN比は73.9dBFS(15MHz信号入力時の標準値)。スプリアスフリーのダイナミックレンジ(SFDR)は93dBc(15MHz信号入力時の標準値)。有効ビット数(ENOB)は12ビット(15MHz信号入力時の標準値)である。デジタル信号出力はパラレルCMOSとシリアルDDR LVDS。各種パラメータの設定に向けてSPIインターフェースを搭載した。電源電圧は、アナログ回路部とデジタル回路部どちらも+1.2Vと+1.8V。消費電力は、パラレルCMOS出力時に257mW、シリアルDDR LVDS出力時に329mWである。

 パッケージは3製品いずれも、外形寸法が8mm×8mm×1.08mmの121端子BGA。すでに量産を始めている。1万個購入時の参考単価は、12ビット分解能品(MCP37D11-80)が17.45米ドル、14ビット分解能品(MCP37D21-80)が29.87米ドル、16ビット分解能品(MCP37D31-80)が40.42米ドルである。