ルネサス エレクトロニクスは、英ArmのCPUコアを集積した32ビットマイコン「RAファミリ」の新製品として「RA6M4マイコングループ」(以下、RA6M4)を発売した(ニュースリリース)。IoTエッジ機器などに向けて、量産中である。

新製品と応用のイメージ
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 同社は2019年10月に「RAファミリ」を発表し、Armマイコンへの本格的な進出を開始した*1。RAファミリはRA8/6/4/2のシリーズからなり、この時にはRA8を除く3シリーズ5グループの製品が発表された。20年5月にRA4シリーズの新製品「RA4W1」を発表している*2。RA4W1はBluetooth Low Energy 5.0に対応した2.4GHz帯の無線通信回路を集積しており、Bluetooth 5.0に対応した安全でセキュアーなIoTエンドポイント機器の開発に向けるという。

 今回のRA6M4は、CPUコアとして、Armv8-Mアーキテクチャーの「Cortex-M33」を集積した。RAファミリにCortex-M33が採用されたのは、今回が初めて。海外の競合メーカーがCortex-M33を集積したマイコンを発表したのは約2年前で、ルネサスはようやく追いついた。RA6M4に集積したCortex-M33の動作周波数は最大200MHz。これまでに発表されたRAファミリの中では最も高速なCPUコアである。

新製品の概要
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 Cortex-M33の特徴であるArmのセキュリティー技術「Arm TrustZone」を、RA6M4では利用できる。一方で暗号化アクセラレーター回路に関しては、Armが提供する「CryptoCell」ではなく、ルネサス独自の「Secure Crypto Engine」を集積した。競合メーカーでもマイコンにはCryptoCellではなく、そのメーカー独自の暗号化アクセラレーターを集積するケースは少なくない。「現在のCryptoCellは基本的にスマートフォンなど向けの『Cortex-A』との併用を前提にしており、Cortex-Mベースのマイコンではリッチ過ぎる」(あるマイコンメーカー)。

 RA6M4にはメモリーとして、最大1Mバイトのフラッシュメモリーと256Kバイト(うち、64KバイトはECC付き)のSRAMを集積する。このほか、12ビットのA-D変換器や12ビットのD-A変換器、DMA(Direct Memory Access)付きEthernetコントローラー、静電容量式タッチ・キー・コントローラーなどを備える。外部インターフェースはUSB 2.0 Full Speed、CAN、Quad SPI、Octa SPIなどに対応する。RA6M4は40nmプロセスで製造し、フラッシュメモリーからCoreMarkベンチマークを実行した場合の消費電流は99μA/MHzと低い。また、スタンバイから30μsで復帰する高速ウェイクアップ機能がある。RA6M4はメモリー容量やパッケージが異なる9製品からなる。評価キットとして、「EK-RA6M4」を用意している。

9製品を用意
ルネサスの表
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評価キットの「EK-RA6M4」
ルネサスの写真
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