ロームは、充電電圧範囲が+2.0〜4.7Vと広い充電制御ICを発売した ニュースリリース 。充電電圧が+4.1Vや+4.2Vと高いLiイオン2次電池のほか、充電電圧が+2.3Vや+2.6Vと低い全固体/半固体電池などの新しい2次電池の充電に使える。新製品の応用先は、スマートディスプレーやスマートウォッチ、ヘルスケアバンド、補聴器、ワイヤレスイヤホン、スマートカードなどである。

充電電圧範囲が+2.0〜4.7Vと広い充電制御IC
充電電圧範囲が+2.0〜4.7Vと広い充電制御IC
(出所:ローム)
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 新製品の充電電圧は、外付け抵抗を使ってユーザーが希望する値に設定できる。同社によると、「競合他社品の多くは充電電圧が固定であるため、2次電池の種類を変える場合は、電源回路やプリント基板を設計変更する必要があった。新製品を使えば、電源回路やプリント基板はそのままで、外付け部品を載せ替えるだけで2次電池の種類を変えられる」という。

広い充電電圧範囲をカバー
広い充電電圧範囲をカバー
競合他社品(一般品)は充電電圧が固定のものがほとんどだった。新製品は可変品であり、+2.0〜4.7Vと広い充電電圧範囲で使える。(出所:ローム)
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 なお充電電圧範囲が広い充電制御ICは、すでに米Analog Devices(アナログ・デバイセズ)が発売している。充電電圧範囲が+1.2〜60Vと極めて広い「LT4079」である*。ロームは、この充電制御ICと今回の新製品との充電制御ICと違いについて、次のように説明した。「Analog Devicesの充電制御ICは、車載機器や産業機器、蓄電システムなどに向けたもので、最小充電電流が10mAと大きい。一方、今回の新製品は1mAと小さく、単セルで動かすウエアラブル機器や小型・薄型のIoT機器など向けである。対象とする用途がまったく違う」(同社)。

* 関連記事 Linear Technology、充電電圧を1.2~60Vの範囲で設定できるリニア充電ICを発売

 新製品の型番は「BD71631QWZ」。リニア方式の充電制御ICである。定電流定電圧(CCCV)充電が可能だ。CCCV充電のパラメーターとしては充電電圧のほか、充電電流や充電終止電圧、再充電電圧を、外付け抵抗を使ってユーザーが設定できる。充電電流の設定範囲は1m〜300mA。充電終止電流の設定範囲は50μ〜10mA。再充電電圧の設定範囲は+1.8〜4.7Vである。

 保護機能としてセーフティータイマー機能や温度保護機能、低電圧誤動作防止機能、過電圧保護機能、電池温度検知機能を搭載した。パッケージは、外形寸法が1.8mm×2.4mm×0.4mmと小さいUMMP10LZ1824。「一般的な充電制御ICのパッケージと比較すると、実装面積を約50%、実装高さを約60%削減した。このため、シート状の2次電池とほぼ同じ高さに収められる」(同社)。

小型・薄型パッケージに封止
小型・薄型パッケージに封止
パッケージは、外形寸法が1.8mm×2.4mm×0.4mmと小さいUMMP10LZ1824。一般的な充電制御ICのパッケージ(外形寸法は3.0mm×3.0mm×1.0mm)と比較すると、実装面積は約50%、実装高さは約60%削減した。(出所:ローム)
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 動作温度範囲は−30〜+105℃である。新製品の主な仕様は下表の通り。すでに量産を始めている。サンプル価格は330円(税込み)。評価ボード「BD71631QWZ-EVK-001」を用意しており、すでにインターネット通販サイト(チップワンストップ、コアスタッフオンライン)で販売を始めている。

新製品の主な仕様
新製品の主な仕様
(出所:ローム)
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