エイブリックは、過電流検出精度が高いLiイオン2次電池用保護ICを発売した ニュースリリース 。電流検出抵抗を使って充電/放電時の過電流を検出する際の誤差が±0.75mV(最大値)と小さい。「業界最高の過電流検出精度」(同社)。同社従来品の検出誤差は±1mV(最大値)であり、誤差は25%低減した。単セルのLiイオン/Liポリマー2次電池で動作するスマートフォンやタブレットPC、ワイヤレスヘッドセット、スマートウオッチ、活動量計、ワイヤレスイヤホンなどに向ける。

過電流検出誤差が±0.75mVと小さいLiイオン2次電池用保護IC
過電流検出誤差が±0.75mVと小さいLiイオン2次電池用保護IC
(出所:エイブリック)
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 同社は、過電流の検出精度を高めたメリットとして、抵抗値が低い電流検出抵抗が使えることを挙げる。検出精度が低い保護ICの場合、電流検出抵抗で検出した電圧に占める誤差の割合が大きい。このため抵抗値が低い電流検出抵抗を使うと、検出電圧が低くなり、この誤差の割合がもっと大きくなる。「最悪の場合、過電流を正確に検出できなくなる。このため低抵抗の電流検出抵抗を使えず、電流検出抵抗による発熱が問題になっていた」(同社)。新製品は、同社従来品に比べて、検出電圧に占める誤差の割合を25%減らせる。検出電圧に占める誤差の割合が従来と同程度で問題なければ、この25%分を電流検出抵抗の低抵抗化に回せる。これで電流検出抵抗の発熱を抑えられる。実際、同社は、0.75mΩ(標準値)と小さい電流検出抵抗を推奨している。

 新製品の型番は「S-82P1A/S-82P1Bシリーズ」。S-82P1AシリーズとS-82P1Bシリーズの違いは、CTL端子の有無とパッケージにある。CTL端子は、S-82P1Aシリーズに搭載したが、S-82P1Bシリーズには搭載していない。CTL端子を使えば、外部から信号を入力することで充電制御機能のオン/オフを切り替えられる。またCTL端子にサーミスターを接続すれば、過熱保護機能を実現できる。S-82P1Aシリーズのパッケージは、外形寸法が1.6mm×1.6mm×0.4mmのHSNT-8(1616)。S-82P1Bシリーズは、外形寸法が1.57mm×1.8mm×0.5mmのSNT-6Aである。

新製品を使った保護回路例
新製品を使った保護回路例
図左がS-82P1Aシリーズの場合。CTL端子を備えている。図右がS-82P1Bシリーズの場合。2つのシリーズどちらも、パワーMOSFETや過電流検出用抵抗(各図の左下の抵抗)などを外付けして使用する。(出所:エイブリック)
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 2つのシリーズどちらも、過充電検出電圧の誤差は±15mV(最大値)と小さい。「過充電検出電圧の精度も業界最高である」(同社)。過放電検出電圧の誤差は±50mV(最大値)。負荷短絡検出電圧の誤差は±5mV(最大値)である。消費電流は動作時が4.0μA(最大値)、パワーダウン時が50nA(最大値)。動作温度範囲は−40〜+85℃。すでに販売を始めている。2シリーズどちらも価格は明らかにしていない。