セダン「アルファロメオ・ジュリア・クアドリフォリオ」とSUV(多目的スポーツ車)「アルファロメオ・ステルヴィオ・クアドリフォリオ」をベースに、最高出力を375kWから382kWに高め、車両質量を27kg以上軽量化した欧米FCA(Fiat Chrysler Automobiles)のフォーミュラ1(F1)参戦記念限定車「エフワン・トリビュート」(図1、2)。最高出力を7kW上げるために実施したのが、エンジンの専用チューニングと排気システムの流体抵抗の低減である。

図1 アルファロメオ・ジュリア・クアドリフォリオのエフワン・トリビュート
図1 アルファロメオ・ジュリア・クアドリフォリオのエフワン・トリビュート
(撮影:日経 xTECH)
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図2 アルファロメオ・ステルヴィオ・クアドリフォリオのエフワン・トリビュート
図2 アルファロメオ・ステルヴィオ・クアドリフォリオのエフワン・トリビュート
(撮影:日経 xTECH)
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 FCAジャパンでアルファロメオプロダクトマネージャーを務める平野智氏によると、エンジンのチューニングでは、燃料の噴射量やブースト圧を変えている模様(図3)。加えて、排気システムでは配管の取り回しを変えて流低抵抗を減らしているという(図4)。同排気システムは、スロバキア・アクラポヴィッチ(Akrapovic)製としている。

図3 ジュリア・クアドリフォリオのエフワン・トリビュートに搭載されたエンジン
図3 ジュリア・クアドリフォリオのエフワン・トリビュートに搭載されたエンジン
排気量2.9Lでインタークーラー付きのV型6気筒ツインターボエンジンを搭載する。V字の角度は90度、気筒休止の機能を備える。(撮影:日経 xTECH)
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図4 ジュリア・クアドリフォリオのエフワン・トリビュートの排気管
図4 ジュリア・クアドリフォリオのエフワン・トリビュートの排気管
Akrapovic製の排気システムを採用する。(撮影:日経 xTECH)
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 一方、車両質量の低減に寄与したのが、主なところでは、ブレーキシステム、排気システム、シート。ブレーキシステムは、ディスクに軽量なカーボンセラミックスを使ったカーボンセラミックブレーキシステムで、それらを4輪全てに適用することで合計17kgの軽量化を図った。排気システムでは、配管に従来のアルミニウム合金ではなくチタン合金を採用、4kgの軽量化を果たした(図5)。また、シートにCFRP(炭素繊維強化樹脂)製のカーボンバケットシートを適用することで、6kgの軽量化を図ったとしている(図6)。同シートは、イタリア・スパルコ(Sparco)製という。

図5 ステルヴィオ・クアドリフォリオのエフワン・トリビュートで採用したカーボンセラミックブレーキシステム
図5 ステルヴィオ・クアドリフォリオのエフワン・トリビュートで採用したカーボンセラミックブレーキシステム
ホイールの奥にカーボンセラミック製の大きな径のディスクが見える。(撮影:日経 xTECH)
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図6 ステルヴィオ・クアドリフォリオのエフワン・トリビュートに搭載されたカーボンバケットシート
図6 ステルヴィオ・クアドリフォリオのエフワン・トリビュートに搭載されたカーボンバケットシート
Sparco製のシートを採用する。(撮影:日経 xTECH)
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