図1 米オプティカルソリューションズソフトウェアCTOのマーク・ランドン氏
(写真:日経 xTECH)
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 米オプティカルソリューションズソフトウェア(Optical Solutions Software)は形状最適化機能を持つ流体解析用プリポストプロセッサ「SCULPTOR」に、メッシュの品質を向上させる機能を組み込んだと明らかにした。国内の代理店であるヴァイナス(本社大阪市)が東京都内で開催したイベント「VINAS Users Conference」(2019年10月10・11日)での講演で来日した最高技術役員(Chief Technical Officer)のマーク・ランドン(Mark D. Landon)氏(Ph.D.)が明らかにした(図1)。

 SCULPTORは解析計算用モデルのメッシュをモーフィング(変形)する技術によって、既存のメッシュと少し異なった形状のメッシュを短時間で作成できる機能を持つ(関連記事1関連記事2)。これを最適化計算ソルバと組み合わせると、形状を少しずつ変えながらシミュレーションを実行し、最も成績の良い形状を自動的に求められる。ただし変形によってメッシュが細長くなったり、メッシュの大きさが適切ではなくなったりする可能性がある。そこで、変形途中や変形後にメッシュのノードを少しずつ動かすなどして、メッシュの形や大きさを整えられるようにした。

 米サンディア国立研究所のライブラリ「MESQUITE」を利用し、SCULPTORのバージョン3.9(最新版)に組み込んだ。日本国内での現在のバージョンは3.8であり、次のバージョンとして間もなくヴァイナスが供給を始める。

 同氏は最近のユーザー事例として、ジェットエンジンのタービンブレードにおける削正作業への応用を挙げた(図2)。タービンブレードは砂やごみなどの衝突で傷付き、微小なひび割れが生じる場合がある。小さな損傷が広がらないように削り取って整形(削正)する際、空力的な性能を悪化させず、応力集中による破壊の危険を生じさせず、軸回りのバランスを崩さない形状を自動的に計算で求める。当初戦闘機「F-35」で適用を始めたという。エンジンの吸気ポートの形状を最適化して内部の混合気の流れを均一にする、船舶の船首で水面下の形状を最適化して抗力を5%減少させる、といった事例もあるという。

図2 タービンブレードの修理の最適化
(出所:米Optical Solutions Software)
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