伊仏合弁STMicroelectronicsは、「Arm Cortex-M7」をCPUにするMCU「STM32H7シリーズ」の新製品として、「STM32H723ライン/STM32H733ライン」と「STM32H725ライン/STM32H735ライン」、「STM32H730ライン」を発表した(ニュースリリース)。いずれの製品でも、Cortex-M7が最大550MHzで動作する。「フラッシュメモリー内蔵のMCUとしては市場で最も高速」(同社)という。

STM32H7シリーズMCUの主な仕様
今回の新製品は赤枠で囲った5つのラインの製品。STMicroelectronicsの表
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 STM32H7は、Armコアを採用した同社の32ビットMCU「STM32」の中でハイエンドのシリーズ。このシリーズには、Cortex-M7とCortex-M4の2つのコアを集積した製品*1と、Cortex-M7を1コア集積した製品*2がある。今回の新製品はいずれも最大550MHz動作のCortex-M7を1コア集積したMCU。これまでは、2コア製品でも1コア製品でも、Cortex-M7の最大動作周波数は480MHzだった(ちなみにCoretx-M4の最大動作周波数は240MHz)。FMC(Flexible Memory Controller)や「Octal SPI」メモリーインターフェースを備えたことで、内部メモリー/外部メモリーのどちらからプログラムを実行しても、演算性能は2778CoreMark/1177DMIPSと高いとする。

 集積したフラッシュメモリーは、STM32H723/STM32H733とSTM32H725/STM32H735は1Mバイトまたは512Kバイト、STM32H730は128Kバイト(なお、STM32H730は廉価版製品のバリューライン)である。SRAMはいずれの製品でも564Kバイト。またいずれの製品も周辺回路として、3つのA-D変換器、2つのD-A変換器、2つのコンパレーター、2つのオペアンプなどを備える。電源回路はLDOまたはSMPS(Switched-Mode Power Supply)を集積している。

STM32H735xGの機能ブロック図
STMicroelectronicsのスライド
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 STM32H723/STM32H733と、STM32H725/STM32H735との違いは動作温度範囲にあり、前者は-40~+85℃。後者は-40~+125℃と広い。また、STM32H723とSTM32H733の違い、およびSTM32H725とSTM32H735の違いは、暗号化アクセラレーターとハッシュ関数演算器の有無にある。STM32H723とSTM32H725にはこれらはないが、STM32H733とSTM32H735にはある。パッケージは68ピン~176ピン/ボールまで、各種をそろえる。新製品は100ピンLQFP封止の「STM32H730VBT6」を1万個同時購入した場合のチップ単価は2.83米ドルから。

68ピン~176ピン/ボールのパッケージを用意
STMicroelectronicsのスライド
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