ロームの完全子会社である米カイオニクス(Kionix)は、ノイズフィルターを内蔵した3軸加速度センサーIC「KX132-1211/KX134-1211」を発売した(ニュースリリース)。ロームによると、「ノイズフィルターを内蔵した加速度センサーICの製品化は業界初」という。ノイズのフィルタリングとセンサー信号のデータ処理を実行する「ADP(Advanced Data Path)」と呼ぶ機能を搭載した。このため従来は、外付けマイコンで実行していた演算処理を加速度センサーICで実行できるので、マイコンの負荷を軽減し、電子機器全体の消費電力を低減できるという。消費電流は0.67μA(低消費モード時)と少ない。Kionixの従来品と比べると「半分以下に抑えた」(ローム)という。バッテリーで駆動するウエアラブル機器のほか、モーターを搭載した産業機器のマシン・ヘルス・モニタリング(状態/振動監視)や、GPSと組み合わせた物流用トラッキング機能、自動車用スマートキーなどに向ける。

ノイズフィルターを内蔵した3軸加速度センサーIC。ロームの写真
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 ADPに内蔵したノイズフィルターは、低域通過フィルター(ロー・パス・フィルター)と高域通過フィルター(ハイ・パス・フィルター)で構成した。それぞれの周波数特性をカスタマイズできるため、「自由度の高いフィルターを構成でき、任意の周波数帯域のセンシングが可能である」(ローム)という。それぞれのフィルターはオンとオフを切り替えることができる。

 KX132-1211とKX134-1211は、測定可能な最大周波数帯域や、加速度の測定範囲が異なる。KX132-1211の測定可能な最大周波数帯域は、x軸とy軸が4200Hzで、z軸が2900Hz。加速度の測定範囲は±2〜±16g(gは重力加速度)。KX134-1211の測定可能な最大周波数帯域は、x軸が8200Hz、y軸が8500Hz、z軸が5600Hz。加速度の測定範囲は±8〜±64g(gは重力加速度)である。データ出力は16ビットのデジタル信号。I2CバスもしくはSPIを介して出力する。

 2製品どちらも、スリープモードから自動的に起動するウェイクアップ機能や、加速度が一定期間検出されなかった場合に外付けマイコンに対して低消費モードへの切り替えを促すバック・ツー・スリープ機能を内蔵した。パッケージは、外形寸法が2mm×2mm×0.9mm×12端子LGA。動作温度範囲は−40〜+105℃。すでに2019年9月に、月産10万個体制で量産を始めている。サンプル価格は1500円(税別)である。

■変更履歴
この記事の掲載当初、会社名「Kionix」のカタカナ表記に誤りがありました。「キオニクス」は誤りで、正しくは「カイオニクス」でした。お詫びして訂正します。記事タイトルと本文最初の文章は修正済みです。