米Maxim Integratedは、車載USB PD(Power Delivery)端子を介した電力供給(充電)に向けた電源制御IC「MAX25430」を発売した(ニュースリリース)。昇降圧(バック-ブースト)型DC-DCコンバーター制御回路、USB PD仕様に準拠したアナログ・フロント・エンド(AFE)回路、USB Type-C端子用保護スイッチなどを1チップに集積した。同社によると、「業界で最も集積度が高いIC。このため、複数のICが必要な競合他社品に比べると、外形寸法を最大で40%、部品コストを最大で25%削減できる」という。車載用半導体ICの品質規格「AEC-Q100」と、車載機器向けCuワイヤ・ボンド・パッケージに関する品質規格「AEC-Q006」に準拠する。車載用マルテメディアハブや、後部座席用エンターテインメントモジュール、車載用充電モジュールなどに向ける。

車載USB PD端子を介した電力供給(充電)に向けた電源制御ICの応用例
Maxim Integratedのイメージ
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 外付けのマイコン、もしくはUSB PD制御ICと組み合わせて使用する。「競合他社品は、USB PD端子の個数ごとにマイコンの外付けが必要だったが、新製品を使えばUSB PD端子数にかかわらずマイコンは1個で済む」(同社)。なお、昇降圧型DC-DCコンバーター回路を構成するために、4つのパワーMOSFETで構成したHブリッジ回路を外付けする必要がある。充電モードは、USB BC1.2(Battery Charging Specification 1.2)仕様や、Apple 2.4A仕様、Apple CarPlay仕様、Apple MFi仕様、USB On-The-Go(OTG)仕様に準拠する。

 昇降圧型DC-DCコンバーター回路の入力電圧範囲は+4.5〜36V。出力電圧は+5V、+9V、+15V,+20Vのいずれかを選択できる。最大出力電流は5.0A。スイッチング周波数は220kHz、300kHz、400kHzの中から選べる。さらに、外部のクロック信号源と同期させて駆動することも可能だ。スペクトラム拡散クロック機能を搭載しており、放射電磁雑音(EMI)の放射レベルを抑えられるという。USB PD用AFE回路は、TCPCI(USB-IF Type-C Port Controller Interface)仕様に準拠しており、I2Cバスのマスターと接続できる。USB Type-C端子用保護スイッチは、D+ライン、D−ライン、CC1ライン、CC2ライン、VCONNラインの静電気放電(ESD)保護と短絡(ショート)保護に使える。

 パッケージは、実装面積が6mm×6mmの40端子TQFN。動作温度範囲は−40〜+125℃。すでに販売を始めている。1000個以上購入時の米国での参考単価は4.17米ドルである。評価キット「MAX25430AEVKIT#」を用意した。参考単価は299米ドルである。