アマダプレスシステム(神奈川県伊勢原市)は、電気自動車(EV)市場向けに順送プレス加工自動化システム「SDEW-8010iIII+ALFAS-03ARZ」を発売した()。高速・高精度加工が可能で、電池ケースの絞りや防爆弁・ふた(封口板)、制御ユニット、電池用銅端子関連のバスバー、電装部品などの加工を想定している。

図 順送プレス加工システム「SDEW-8010iIII + ALFAS-03ARZ」
図 順送プレス加工システム「SDEW-8010iIII + ALFAS-03ARZ」
EV用部品のプレス加工での需要を狙う。(出所:アマダプレスシステム)
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アマダプレスシステムのニュースリリース https://www.amada.co.jp/php/press/pdfs/000339_1.pdf

 圧力能力が800kNのデジタル電動サーボプレス「SDEW-8010iIII」に、板幅が50~300mmの材料を扱えるNCロールフィーダーとアップループタイプのレベラーから成る「ALFAS-03ARZ」を組み合わせた。21年9月に発売した「SDE-1515i III+ALFAS-03KR」と同じく、プレスマシンとロールフィーダーの操作画面・制御を一体化し、段取り操作を簡易化するとともに作業負担を軽減している。

 SDEW-8010iIIIは、高剛性フレームを採用した「GORIKI(ゴウリキ)」シリーズの新機種。EVの電装部品は非対称な形のものが多く、それらを加圧する際には、左右・前後での偏心荷重に対する剛性を確保しなければならない。そこで新機種では、フレームのスライド機構にダブルクランク構造と8面ギブガイドを取り入れて耐偏心荷重特性を向上させ、高精度な加工を可能にした。

 一方のALFAS-03ARZは、トップスピードを6.0m/秒と、従来の同社製ロールフィーダー比で約4倍に高めた。サーボモーターとフィードリールをカップリングで直結し、バックラッシをなくしたので、サーボモーターの速度と精度を直接フィードロールへ伝達できる。さらに、EV部品で多く使われる銅や電磁鋼板、アルミニウム合金などの材料は、レベラー痕や傷が付きやすいため、レベラーの構造を改良して内部のロールを清掃しやすくした。

 ロールフィーダーのリリース駆動は、エアシリンダー式からカムを使用したサーボリリース機構へ変更した。加えて、フィードロールに加える圧力を材料の仕様に合わせて調圧できるデジタル加圧を採用。最小のリリース量と最適な加圧力の設定を可能した。これにより、材料の傷や騒音を減らせる上、ロールフィーダーの耐久性の向上とエアー消費の削減を図れるという。

 その他、簡易アナログループ制御とレベラーを斜めに配置するアップループタイプにより、アンコイラーとレベラー、ロールフィーダーの間で発生するループ(材料のたるみ)を減らした。これによって、同社のダウンループタイプのロールフィーダーに比べて約40%の省スペース化を実現。材料とその仕様に応じてレベラーの角度や材料ガイドの形状を調整できるので、適切なループ形状を形成し、安定した送りを実現するという。

 システム全体の寸法は、幅5938×奥行き1920×高さ2903mm。価格は4300万円(税別)。