エムエスシーソフトウェア(東京・千代田)は2021年10月26日、さまざまな設計案に対して性能などの特性値を瞬時に推定するシステムの構成が可能な機械学習ツール「ODYSSEE A-Eye」を発売した()。設計案を表現した画像データやCADデータをシミュレーションによる特性値の計算結果とともに学習させると、新たな設計案に対しても特性値をただちに出力する。さまざまな設計案を探索する用途を想定している。

図 「ODYSSEE A-Eye」の画面
図 「ODYSSEE A-Eye」の画面
(出所:MSC Software)
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 例えば車輪の設計時に、さまざまな設計案を探索して、路面にある障害物に衝突したときの強度を瞬時に確認できる。このとき事前準備として、解析技術者がスポークの数が異なるなどの幾つかの車輪設計案に対して非線形有限要素法で衝突シミュレーションを実施し、画像データなどとともにODYSSEE A-Eyeに学習させておく。学習済みのシステムに対して、車輪の設計担当者が新たな設計案を画像で表現して入力すると、システムが学習モデルによって衝突時の状況を応答する。数値シミュレーションに関する詳しい知識がなくても設計案を探索できる仕組みの構築が可能だ。

 航空機の主翼の設計に関する例では、NACA(National Advisory Committee for Aeronautics;米航空諮問委員会)の翼型16種類についてシミュレーションを実施して学習させると、新たな翼型について揚力係数と抗力係数を瞬時に応答できるシステムを構成できたという。工作機械による加工時間や加工誤差の推定にも利用可能としている。

 19年6月にフランスCADLM社と結んだ業務提携契約に基づき、CADLM社の技術を応用して開発した。既に日本国内の顧客企業に対して個別に紹介を始めている。