TDKは、車載PoC(Power over Coax)に向けたインダクターを発売した ニュースリリース 。特徴は、外形寸法が3.2mm×2.5mm×2.5mm(3225サイズ)と小型にもかかわらず、定格電流(Isat)が1000mA(+105℃での標準値)と大きいことにある。「当社従来品に比べて、定格電流を約1.4倍に増やした。3225サイズ品では業界最大である」(同社)。

車載PoCに向けた3225サイズのインダクター
車載PoCに向けた3225サイズのインダクター
(出所:TDK)
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 車載カメラモジュールや画像処理ボードなどに搭載したDC-DCコンバーターの前段に挿入し、周波数が高い画像信号の流入を阻止する「ブロッキングコイル」として使う。「車載カメラモジュールの解像度が高まっており、CMOSイメージセンサーと画像処理プロセッサー(ISP)への供給電流が増大している。このため車載機器メーカーから、ブロッキングコイルの大電流化を要望する声が高まっていた」(同社)。

発売したインダクター「ADL3225VM」の応用回路
発売したインダクター「ADL3225VM」の応用回路
DC-DCコンバーターに、高周波の画像信号が流入することを防ぐブロッキングコイルとして使う。(出所:TDK)
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 今回の新製品は、インピーダンスが高い周波数帯域が広いことも特徴である。インピーダンスが1000Ωを超える周波数帯域は、約100M~700MHzと広い。しかも、直流電圧を印加した状態でも、インピーダンスの低下幅は小さい(直流重畳特性が高い)。「通常、ブロッキングコイルを構成する場合は、インピーダンスの周波数帯域が異なる複数個のインダクターを組み合わせる。新製品を使えば、周波数帯域が広いため、組み合わせるインダクターの個数を2~3個に減らせる。従来は3~4個必要だった」(同社)。

「ADL3225VM-2R2M-TL000」のインピーダンス周波数特性
「ADL3225VM-2R2M-TL000」のインピーダンス周波数特性
(出所:TDK)
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 新製品の型番は「ADL3225VM-2R2M-TL000」。インダクタンスは2.2μH(100kHzにおける値)で、その誤差は±20%。直流抵抗は0.18Ω(最大値)である。

 このほか、インダクタンスが15μH(100kHzにおける値)と大きい3225サイズのインダクター「ADL3225VM-150M-TL000」を併せて発売した。定格電流(Isat)は350mA(+105℃での標準値)であり、「競合他社品と同等レベル」(同社)である。インピーダンスが1000Ωを超える周波数帯域は約10M~500MHzと広い。直流抵抗は0.40Ω(最大値)である。

「ADL3225VM-150M-TL000」のインピーダンス周波数特性
「ADL3225VM-150M-TL000」のインピーダンス周波数特性
(出所:TDK)
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 発売した2製品の特性は以下の通り。2製品どちらも動作温度範囲は−55~+155℃。車載用受動部品の品質規格「AEC-Q200」に準拠する。すでに量産を始めている。サンプル品の参考単価は110円(税込み)である。

新製品の主な特性
新製品の主な特性
(出所:TDK)
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