ソリッドワークス・ジャパン(東京・品川)は、3D-CAD「SOLIDWORKS」の新版「同 2022」の国内での受注を2021年12月1日から開始すると発表した。新版では、ユーザーがひんぱんに繰り返すコマンドの手数削減や、シミュレーションツールなど同社の製造業向けプラットフォーム「3DEXPERIENCE プラットフォーム」との連携強化などの改良を加えた。

 コマンドの手数削減は、例えば円筒形状の断面を得る操作を簡略化した。一般的にCADの操作で断面を得るために図形を切断する平面(切断面)を決める際、その切断面が目的の位置に生成できるとは限らない。SOLIDWORKSの従来のバージョンでは、中空管などの円筒形状の場合、切断面が円筒面(円筒の外表面)に接する位置にできてしまうため、これを円筒の中心線に合わせる操作が必要だった*1。新バージョンは、ユーザーが断面コマンドの操作中に円筒面を指示した場合、最初から中心線を通る切断面ができるようになった。

図1 円筒面を中心で切断
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図1 円筒面を中心で切断
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図1 円筒面を中心で切断
従来は別の場所にできる切断面を中心に合わせる操作が必要だった。(出所:ソリッドワークス・ジャパン)
*1 形状を基準に切断面を生成する処理であるため、管の中など形状が存在しない場所を基準に切断面を生成するには追加での処理が必要だったと考えられる。

 プラスチック部品の設計を想定して抜き勾配を付ける機能では、1回の操作で金型のパーティング面(分割面)の両側に同時に勾配を付けられるようにした。抜き勾配のコマンドにおいて、勾配角度を2つ指定できるように改良した。従来はパーティング面の上と下について、それぞれ1回ずつ合計2回の操作が必要だった。

図2 プラスチック部品の抜き勾配
図2 プラスチック部品の抜き勾配
1コマンドで上下両方向に勾配を付けられる。(出所:ソリッドワークス・ジャパン)
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 ミラーコピー機能は、長方形の形状に関して1頂点に形成した形状を、他の3頂点に1回の操作でコピー可能にした。コピーコマンドにおいて、縦と横の2枚のミラー面を指定可能にした。従来は縦方向と横方向それぞれのコピー操作が必要だったのを簡略化した。

図3 2枚のミラー面で1度にコピー
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図3 2枚のミラー面で1度にコピー
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図3 2枚のミラー面で1度にコピー
1回の操作で、1頂点に作成した形状(台枠の脚)を他の3カ所に増やせる。(出所:ソリッドワークス・ジャパン)

 設計対象の製品において、顧客ニーズに応じて部品構成が異なるバリエーションを設計する場合に、表形式のユーザーインターフェースで構成(コンフィギュレーション)の切り替えを指示できる機能を設けた(図4)。表での指定による3Dモデルの変更と、3Dモデルでの変更による表の更新は、どちらの方向も可能。構成の切り替え機能自体は以前のバージョンからあったが、Excelと連動させる必要があったのを、SOLIDWORKS単独で操作可能にした。

図4 表でコンフィギュレーションを指定する機能
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図4 表でコンフィギュレーションを指定する機能
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図4 表でコンフィギュレーションを指定する機能
部品の有無などを切り替えられる。(出所:ソリッドワークス・ジャパン)

 3Dデータを風景写真などと合成する際、パースを合わせる機能も加えた(図5)。風景写真内にある水平線や、道路や建物の縁などの線をユーザーが指定すると、SOLIDWORKSが3Dデータを描画する際の焦点距離などを自動で調整する。プレゼンテーション用資料をつくる際に、より自然な画像を作りやすくなる。

図5 3Dモデルの見え方を背景写真に合わせる機能
図5 3Dモデルの見え方を背景写真に合わせる機能
水平線や通路の端の線の指定により、焦点距離とパースが決まる。(出所:ソリッドワークス・ジャパン)
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 3DEXPERIENCE プラットフォームの他のツールとの連係動作については、SOLIDWORKSとシミュレーションツールの間でのパラメーター共有を強化した。パラメーターをSOLIDWORKS側で定義でき、計算結果による最適化操作などが容易になるという。これらの他、同社は説明会において、既存の大規模アセンブリーを扱う処理の高速化、クラウドでのCADデータ管理機能の強化、曲面デザインツールとSOLIDWORKSの連係処理の強化などについて説明した。