米Maxim Integrated(マキシム)は、自動車機能安全規格「ISO 26262」のASIL-Dに準拠できるバッテリーモニター(電池監視)IC「MAX17853」を発売した(ニュースリリース)。8〜14個と多いセルを直列に接続した電池パックに使える。同社によると、「電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)などに向けた中〜大型の電池パックに対応できる。中〜大型の電池パック向けバッテリーモニターICでASIL-Dに準拠したのは業界初」という。A-D変換器や14個のセルバランス用スイッチ、コンパレーター(比較器)、温度センサー、外部インターフェースなど、多くの機能を1チップに集積した。このため外付け部品を最小限に抑えられ、「実装面積を小型化できると同時に、部品コストを最大で35%削減できる」(同社)という。EVやHEVのほか、電動バイクや無停電電源装置(UPS)、電気二重層コンデンサーを使った蓄電システム、電動工具などに使える。

自動車機能安全規格「ISO 26262」のASIL-Dに準拠できるバッテリーモニターIC。Maxim Integratedのイメージ
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 1セル、もしくはバスバーの電圧測定範囲は−2.5〜+5.0Vで、コモンモード電圧の最大値は+65Vである。電圧測定の誤差は、+25℃動作時に1mVと小さい。14セルの電圧測定と6カ所の温度測定、システム電圧測定に費やす時間は263μs。A-D変換器の処理時間は156μsである。14個のセルバランス用スイッチは300mAを超える電流を扱える。ソフトウエアを使うことなく、各セルの端子電圧を自動的に同じ値に揃えることが可能だ。発売したICは、最大で32個をデイジーチェーン接続して使用することができる。従って、最大で448セルのバッテリーを監視することが可能だ。
 
 「Flexpack」と呼ぶアーキテクチャーを採用した。このため、1枚のプリント基板を設計しておけば、8〜14個のセルを直列に接続した電池パックに設計変更なしに対応できる。外部インターフェースは、UART、デュアルUART、SPIに対応する。過電圧や低温、低電圧、過電圧などに対する保護機能を用意した。パッケージは、実装面積が10mm×10mmの64端子LQFP。価格は明らかにしていない。評価キット「MAX17853EVKIT#」を用意している。米国での参考単価は250米ドルである。