オランダNXP Semiconductorsは、車載MCUの新製品「S32K3ファミリー」を発表した(ニュースリリース)。2017年3月に発表した「S32K1ファミリー」*の上位製品に当たる。

上3行が新製品の「S32K3ファミリー」で下2行が既存品の「S32K1ファミリー」
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 既存のS32K1に比べてCPUが強化された。S32K1ではCPUコアはArm Cortex-M0+またはCortex-M4Fだったが、今回のS32K3ではCortex-M7になった。また、コアの個数も増えた。S32K1は集積するCPUコアは1つだったが、S32K3では最大3個を集積し、うち2個はロックステップ動作する。これにより機能安全性が高まり、S32K1ではASIL A/B対応だったが、S32K3ではASIL C/D対応の製品が登場した。S32K3は車載ボディー・エレクトロニクスやバッテリー管理、ドメイン制御、ゾーン制御に向くとする。

新製品の応用先の例
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 国内報道機関向けに新製品をオンラインで紹介したNXPジャパンの山本 尚氏(マーケティング統括部 車載マイクロコントローラ部 部長)によれば、S32K3には機能安全性を高めたこと以外にも複数の特徴がある。まず、ユーザー(自動車メーカーやTier 1部品メーカーなど)のソフトウエア開発負荷を軽減する体制を挙げた。例えば、リアルタイム・ドライバー・パッケージ(RDP)が無償で提供されるため、AUTOSAR規格やユーザー独自アーキテクチャーの下位レベルドライバーをユーザーが用意する必要がない。しかもRDPに含まれるドライバーは、SPICE/CMMI準拠で、MISRAテストが済んでいる。

新製品の特徴の例
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 次の特徴はセキュリティー機能(セキュリティーサブシステム)。S32K3のセキュリティー機能のうち、ハードウエア(回路)は、現在策定中のISO/SAE 21434規格や将来のOEM要件を見越して設計したとする。このハードウエアはCortex-M0+コアを含み、Cortex-M7のCPUとは独立して稼働する。ハードウエアに加えて、NXPは独自のセキュリティーファームウエアや暗号化ドライバーも用意している。このセキュリティーファームウエアはセキュリティーハードウエアの性能を最大化したり、セキュリティーサブシステムに対する不正アクセスを防止したりする。

 また、OTA(over-the-air)のソフトウエアアップデートもセキュアーに行えるという。OTAでのアップデートのダウンロードは通常のランタイム中に可能で、自動アドレス変換機能によりソフトウエアの再コンフィギュレーションを不要にした。これにより、ソフトウエアの新バージョンへの切り替えが簡単に行えるという。

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