トレックス・セミコンダクターは、単セルのアルカリ乾電池やNi水素2次電池で駆動するIoT機器などに向けて、昇圧型DC-DCコンバーターICを2製品発売した ニュースリリース 。特徴は、最大出力電流を、パッケージが同じ同社従来品の1.5倍に増やしたことである。例えば、入力が+3.3V、出力が+5.0Vのときの最大出力電流は750mAと大きい。「このため、IoT機器に搭載するRF無線通信回路やアクチュエーターが求める大きなピーク電流を供給できるようになった」(同社)。応用先は、FA用センサーや、家庭/オフィス/工場用オートメーション機器、セキュリティー用センサーなどである。

IoT機器などに向けた昇圧型DC-DCコンバーターIC
IoT機器などに向けた昇圧型DC-DCコンバーターIC
(出所:トレックス・セミコンダクター)
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 新製品は、ハイサイドスイッチ(nチャネル)とローサイドスイッチ(pチャネル)による同期整流方式を採る。ハイサイドスイッチのオン抵抗は0.17Ω、ローサイドスイッチは0.2Ω。入力電圧範囲は+0.65~6.0V。ただし起動時は最小+0.9Vの入力電圧が必要である。最大入力電流は1.4A。出力電圧は+1.8~5.5Vの範囲において0.1Vステップでユーザーが設定できる。

 発売した2製品の型番は「X9147シリーズ」と「X9148シリーズ」である。2製品の違いは、通常負荷時と軽負荷時の動作モードにある。X9147シリーズは、通常負荷時と軽負荷時どちらもPWMモードで動作する。X9148シリーズは、通常負荷時はPWMモードだが、軽負荷時はPFMモードに自動的に切り替わる。

 X9147シリーズとX9148シリーズはどちらも、搭載する機能が異なる複数のタイプが用意される。

搭載した機能が異なる複数のタイプを用意
搭載した機能が異なる複数のタイプを用意
X9147シリーズはA/D/G/Jタイプを用意。X9148シリーズはA/B/C/D/E/F/G/H/J/K/L/Mタイプを用意した。さらに各タイプは、ラッチ機能や出力コンデンサー(CL)放電機能、低電圧ロックアウト(UVLO)機能の有無の違いがある。(出所:トレックス・セミコンダクター)
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 X9147シリーズのA/D/G/JタイプとX9148シリーズのA/D/G/Jタイプには、負荷切断機能を搭載した。これは入力と出力の導通を遮断して消費電力を低減する機能である。

 X9148シリーズのB/E/H/Kタイプにはバイパス機能を用意した。入力電圧をそのまま出力に供給する機能である。「当社従来品でもバイパス機能を用意していたが、消費電流が3.5μAと大きかった。新製品ではゼロに抑えた」(同社)。IoT機器に搭載したマイコン/SoCのRF無線通信回路には+3.3Vなどに昇圧した電圧が必要だが、低速処理/待機時は+1.8~2.4Vと低い電圧で動作する。バイパス機能はこの低速処理/待機時の電力供給に利用する。

新製品に搭載したバイパス機能
新製品に搭載したバイパス機能
X9148のB/E/H/Kタイプに搭載した。CH端子に入力する信号の振幅レベルで昇圧動作とバイパス動作のどちらかを選択できる。(出所:トレックス・セミコンダクター)
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 X9148シリーズのC/F/M/Lタイプには出力OR機能を搭載した。バックアップ電源に適用する際に利用する機能である。メイン電源からの供給電圧があらかじめ設定しておいた電圧値を下回ると、新製品からの電力供給に自動的に切り替える。このため、マイコン/SoCへの電力供給が途切れてしまうことを防止できる。

新製品に搭載した出力OR機能
新製品に搭載した出力OR機能
X9148のC/F/M/Lタイプに搭載した。いわゆるオアリング(ORing)接続を実現する。(出所:トレックス・セミコンダクター)
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 新製品の待機時消費電流は0.1μAと少ない。パッケージは2製品どちらも、外形寸法が1.8mm×2.0mm×06mmのUSP-6Cと、外形寸法が4.5mm×4.6mm×1.6mmの5端子SOT-89を用意した。動作温度範囲は−40~+105℃。参考単価は2製品どちらも、75円(税込み)である。