エイブリックは、ZCL(Zero Crossing Latch)検知方式を採用した民生機器向けホール効果センサーIC「S-576Z Bシリーズ」を発売した(ニュースリリース)。ブラシレス直流(DC)モーターの駆動に向ける。ZCLとは、外部から印加される磁束密度がS極からN極、もしくはN極からS極に切り替わる0Tに達した点を検知し、信号を出力する方式である。従来のホール効果センサーICでは、単極検知(ユニポーラー)、両極検知(オムニポーラー)、交番検知(バイポーラー)という検知方式を採用している。いずれもS極、もしくはN極の切り替わり点である0Tを通過した時点で信号を検出できず、設定した検出点(BopとBrp)に達したときに信号を出力していた。従って、0Tから検出点に達するまでの遅れ時間が発生してしまう問題を抱えていた。ZCL検知方式を使えば、この問題を解決できる。その結果、「設計の自由度が格段に高まるため、ホール効果センサーICの位置精度や部品のばらつきといったモーターの性能に影響を与える要因を減らしたり、製造工程におけるキャリブレーション作業の負担を軽減したりすることが可能になる」(同社)という。

ZCL検知方式を採用した民生機器向けホール効果センサーICの動作原理。エイブリックの図
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 同社では、2018年10月に産業機器に向けた製品を発表していた(関連記事)。今回の新製品は、ZCL検知方式のホール効果センサーICの品ぞろえを拡張するもので、高い電力効率や高い信頼性、低いノイズ性能が求められる民生機器向けだ。具体的な応用先としては、コードレス掃除機や電動工具などを挙げている。

 ゼロクロスのラッチ点(BZ)は0.1mT(標準値)。S極の解除点(BRS)は3.0mT(標準値)、もしくは6.0mT(標準値)の2種類を用意しており、どちらかを選択できる。チョッピング周波数は500kHz(標準値)。出力の遅延時間は8.0μs(標準値)。出力信号形式は、nチャネルのオープンドレイン、もしくはnチャネルのドライバーと内蔵プルアップ抵抗の組み合わせのどちらかを選択できる。電源電圧は+2.7〜26.0V。パッケージは、実装高さが0.80mmのTSOT-23-3S。このほか、実装高さが0.50mmの6端子HSNT(2025)封止品も開発中である。動作温度範囲は−40〜+125℃。価格は100円。